古代から”不治の病”といわれてきたリウマチ・膠原病の治療は、生物学的製剤などの登場により目覚ましい進歩を遂げています。このような臨床の成果は、実はその数十年前から行われている基礎研究が礎になっているのです。つまり、動物実験により免疫の仕組みが分子レベルで明らかになったことで、病気にかかわる特定の分子のみを制御する分子標的薬が開発されてきました。最近では、患者さんの臨床検体を用いて細胞や遺伝子の解析が盛んに行われており、いくつかの疾患では病因が解明されつつあります。このように、リウマチ学の領域ではベンチの研究をベッドサイドに確実にトランスレーションできる時代になっています!
一方、従来の治療法で改善がみられない患者さんや治療法が確立していない疾患がいまだ多いことも事実です。10年、20年後にリウマチ・膠原病を”治癒できる病気”にすることはこれからの基礎研究にかかっていると言っても過言ではありません。日本リウマチ学会では、世界トップレベルの基礎研究者を招いてベーシックリサーチカンファレンスを年1回開催するほか、学会内外との連携体制により基礎研究を推進するためのさまざまな取り組みを行っています。あなたも未来のリウマチ学を変えていく基礎研究の醍醐味を体感してみませんか?
「基礎研究、臨床研究におけるかけがえのない経験を糧に」 渡部 龍 (大崎市民病院リウマチ科 副科長 東北大学血液免疫科 非常勤講師) |
「臨床検体の解析でどこまで病態に迫れるか?」 竹下 勝 (慶應義塾大学医学部リウマチ・膠原病内科 助教) |
「Never too late to start over」 西出 真之 (大阪大学大学院医学系研究科 呼吸器・免疫内科学 助教) |
「2021年度リウマチ学会奨励賞を受賞して」 辻 英輝 (京都大学医学部附属病院 免疫・膠原病内科 助教) |
「2021年度リウマチ学会奨励賞受賞の言葉」 長谷川 哲雄 (慶應義塾大学医学部 リウマチ膠原病内科 助教) |