日本リウマチ学会 その先へ・・・
さて、20世紀後半には免疫学の飛躍的な進歩により膠原病リウマチ性疾患の病態が解明され、21世紀には病態に即した分子標的治療が導入されて、治療に大変革が齎されました。斯様な世界のリウマチ学の潮流の中で、日本リウマチ学会も大きく発展してきました。学術集会などでも長期安全性、経済性、コロナ禍医療、難治症例、臓器障害への対応、寛解後休薬、治療薬の使い分けなど、多くのアンメットニーズや課題が議論され、リウマチ学の「その先へ」の起点となる基盤が形成されつつあります。これからは、竹内勤前理事長らが蒔いて下さった種を確実に育成したいと思います。
まず、将来構想委員会の提言を具現化すると共に、学会活動やリウマチ学を振興する学会ファンドの創設を検討します。また、学会認定の専門医制度を堅持すると共に、卒前、卒後教育の充実が急務です。膠原病リウマチ学の系統講義がされていない大学もあり、全国の大学に膠原病リウマチ学講座、診療科の設置を求め、本分野を志す若き人材を確保する基盤形成が急務です。さらに、疾患ガイドライン、指針などの作成においては、関連する厚労省研究班や学会等とも協働し、「JCRの関節リウマチ管理ガイドライン」のように学会名を冠に据えて、アカデミアとしてリウマチ学の発展を主導できればと思います。一方、ACR, APLAR, EULARなどとも協調してアジアをリードできる国際化体制を構築し、若手のJ-STAR委員会を組織して各委員会との協働、海外との交流を活性化せねばいけません。
その先へ発展するためには、学会員の皆様の意識の向上と親睦、ご支援、ご支持が不可欠です。また、組織としての透明性に加え、利益相反マネジメントなどの社会基盤を強固にし、会員のみならず国民の皆様からも理解戴ける運営を目指す必要があります。日本リウマチ学会、リウマチ学の発展、患者の皆様への社会貢献に全力を尽くす所存ですので、多大なるご支援、ご協力を賜りますよう、どうぞ宜しくお願い致します。
・インタビュー動画
「日本リウマチ学会 その先へ・・・」
(映像:医療新聞社)
理事長 田中 良哉
設立の理念と目的
沿革
日本リウマチ学会は、昭和32年(1957年)日本リウマチ協会として発足し、第1回総会は東京の上野松坂屋ホールで開催した。当時の会員数は100名程度であった。昭和37年(1962年)日本リウマチ協会と分離して日本リウマチ学会を設立。昭和43年日本医学会加盟、昭和62年(1987年)学会認定医制度を制定し、指導医・認定医・認定施設の認定制度を発足させた。平成15年 5月26日有限責任中間法人日本リウマチ学会を設立し、同年 7月 1日事務所を豊島区大塚から港区虎ノ門に移し、新法人として事業を開始。平成20年12月1日中間法人法の廃止に伴い平成21年4月23日社員総会の決議により一般社団法人日本リウマチ学会となった。
日本リウマチ学会の概要
診療内容の向上を目的とする。
2.機関誌の編集・発行
3.教育研修の実施
4.専門医・施設その他の認定
5.海外の関係諸学会との連携による活動
6.その他本会の目的達成上必要な事業