リウマチ・膠原病は多彩な全身症状を呈する病気です。そして、リウマチ・膠原病の多くは一度発症すると生涯にわたり病気と付き合っていく必要があり、その経過中には、就学、就労、結婚、妊娠・出産、子育て、介護など、様々なライフイベントが待っています。また、病気の治療とともに、併存症や合併症に対する注意や身体機能の低下に対する対処、様々なケアや介護、支援制度の活用なども必要となることが多いです。そのため、リウマチ・膠原病患者さんを全人的にサポートするには、特定の職種のみでなく、多職種が力を合わせてチームとして取り組むことが重要です。
しかし、この理想的な”チーム医療”を実践できている施設はどれだけあるでしょうか?実際、メディカルスタッフ向けに行ったアンケート結果を見てみると、例えば、看護師さんに支援制度の相談をしていたり、リハビリテーションのスタッフに治療薬の副作用のことなどを聞いたりしていました。つまり、リウマチ・膠原病患者さんに関わるメディカルスタッフは、幅広い知識を身に着けていることが期待されていることがわかりました。
リウマチ・膠原病診療において、多職種による”チーム医療”は理想であり期待されるところですが、まずはご自身の専門領域の知識をしっかりと身に着け、次に他の職種に関わる知識についても興味をもって少しずつ習得していくことが大切です。そのようなスタッフが各職種でひとり、ふたりと増えてくれば、やがて患者さんにとって非常に心強いチームが出来上がってくると思います。リウマチ・膠原病患者さんの様々なニーズに応え支援できるよう、みんなで力を合わせて頑張りましょう。
NHO相模原病院 松井 利浩