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研究紹介 竹下 勝(67号)

リウマチ学会奨励賞受賞後の抱負

竹下 勝
慶應義塾大学医学部リウマチ・膠原病内科 助教
竹下 勝

臨床検体の解析でどこまで病態に迫れるか?

この度、リウマチ学会奨励賞という栄誉ある賞を頂き、誠に光栄に思います。御推薦頂いた竹内勤教授、御指導下さった鈴木勝也先生、貴重な臨床検体を頂いたリウマチ膠原病内科の先生方、御助力頂いた共同研究者の皆様に、この場をお借りして御礼申し上げます。
私は初期研修終了後、内科全般で2年後期研修をし、5年目に慶應義塾大学リウマチ膠原病内科に入局しました。同時に大学院に入学し、研究をしっかりやりたいと竹内教授にお伝えした所、1年弱で研究に専念するよう御指示頂き、その後は自己免疫疾患の病態に関する研究を続けています。と、申しましても大学院の初めの頃は学生時代の実習程度しか実験の経験がなく、何をしたらよいのか良く分からずに、様々な方にお世話になりながらとりあえずの手技を覚えるだけで精一杯でした。その中で、当時科内で行っていた製薬企業との共同研究を手伝わせて頂いたり、関東近隣で時折行われている技術講習会や勉強会に参加したりするうちに、少しずつ今何が問題で、どうすればそれが解決しそうかが分かるようになってきて、非常に楽しく研究を続けられています。
研究テーマとしては、初期は生物製剤とサイトカインの影響(1)やT細胞分化(2)などを調べていました。そんな中、勉強会で偶然糖鎖の専門家の方々のお話を聞く機会があり、疾患病態による糖鎖変化(3)という少し珍しいテーマに触れることができました。企業との共同研究ではマルチオミックス解析のお手伝いをさせて頂き(4-5)、自分でも関節リウマチのT細胞に関して報告させて頂きました(6)。最近ではシングルセル解析が身近になってきたこともあり、シェーグレン症候群の唾液腺に浸潤したB細胞の抗原特異性の解析(7)を行いました。
研究内容はタンパクだったり糖鎖だったり遺伝子だったりとバラバラですが、一つ共通しているのは、患者さんの検体の解析が主である点です。自分から狙ってそうした訳ではないのですが、いつの間にか患者さんの検体からじゃないと分からないことが何かしらあるだろうと思うようになり、今後もそこに焦点を当てて、何か一つでも病態に迫れるように努力していきたいと思います。この度は本当にありがとうございました。

(1) Cytokine 2015;75(2):222-7.
(2) Clin Immunol. 2015;159(1):107-17.
(3) Arthritis Res Ther. 2016;18(1):112.
(4) Ann Rheum Dis. 2017;76(8):1458-1466.
(5) Nat Commun. 2018;9(1):2755.

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