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研究紹介 西出 真之(68号)

リウマチ学会奨励賞受賞後の抱負

西出 真之
大阪大学大学院医学系研究科 呼吸器・免疫内科学 助教
西出 真之

Never too late to start over

私は大阪大学医学部在学時、ベッドサイド実習で全身性強皮症の患者さんに出会った事をきっかけに免疫内科を志しました。NTT西日本大阪病院(現:第二大阪警察病院)での臨床研修を通して免疫内科の魅力、素晴らしさを教わった後、母校である大阪大学に戻り、免疫疾患の診療に携わってまいりました。医師4年目の頃に現在の熊ノ郷淳教授が就任され、お会いしたことで研究に興味を持ち、30歳を過ぎて初めてピペットを手にし、大学院生として研究の世界に飛び込んだ日のことを、本原稿を書きながら思い出しています。
セマフォリンに代表される免疫ガイダンス分子が、免疫疾患の病態にどのように関わるかというテーマを与えていただき、その中で特定のセマフォリン分子が好中球の活性を制御するブレーキ分子として働き、このブレーキが外れてしまうことがANCA関連血管炎の発症に関与している事を発見し、学位論文として発表しました1)。これを端緒として、セマフォリン分子と免疫疾患との関連にさらに興味を持ち、2018年には熊ノ郷淳教授との連名で総説を発表し2)、2020年には耳鼻科の先生と共に、難治性アレルギー疾患である好酸球性副鼻腔炎の鼻ポリープ形成にセマフォリン分子が関与しているという研究成果を発表しました3)。2020年秋からはハーバード大学に留学する機会をいただき、研究者として自分の視野をさらに広げるべく、現在はボストンで新たな環境に挑戦しています。
この度、日本リウマチ学会奨励賞という大変栄誉ある賞をいただいたことを心から喜ばしく、誇りに感じています。同時にこれまで御指導いただき、同賞に推薦いただいた熊ノ郷淳教授、メンターとして一から研究のイロハを教えていただいた大阪大学の野島聡先生、伊藤大介先生、臨床、研究の双方で多大な激励、力添えをいただいた免疫内科の先生方、そして一緒に研究に取り組んでくれた熱意ある大学院生、全てのラボメンバーに心より感謝いたします。
現在の日本の医師研修制度においては、臨床医の経験を積んでから初めて研究に触れるというキャリアが主流ではないかと思います。私自身も一般的には遅いタイミングで研究や留学のキャリアを開始したわけですが、今回の受賞を励みとし、Never too late to start overの言葉を胸にさらに精進したいと思います。誠にありがとうございました。

1) Nishide M, et al. Ann Rheum Dis. 2017 Aug;76(8):1440-1448.
2) Nishide M, Kumanogoh A. Nat Rev Rheumatol. 2018 Jan;14(1):19-31.
3) Tsuda T, Nishide M (Co-first), et al. J Allergy Clin Immunol. 2020 Mar;145(3):843-854.e4.

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