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リウマチ性疾患に必要なチーム医療のなかでの理学療法士の役割

リウマチ性疾患に必要なチーム医療のなかでの理学療法士の役割

薬物治療を含むRA診療の進歩(パラダイムシフト)により、寛解に至ったRA患者さんが発症前と変わらない日常に戻ることも夢ではなくなりました。そしてその結果,RAのリハビリテーション医療の目的は「日常生活機能・能力(Activities of Daily Living:ADL)の改善,維持」から「患者さんが望む自分らしい家庭や社会での生活の再獲得(社会的寛解)と、その質(Quality of life : QOL)の向上,維持」に変遷してきました。

今日、患者さんが満足する医療やケア・支援を提供するためにはライフステージやペイシェント・エクスペリエンス(患者経験価値)に沿った要望や問題点を把握した上で、適切で明確な治療目標を設定し、それらを多職種で共有することが必要です。そのためには、これまで以上に患者さん・ご家族と医療者間の、そして多職種間での十分なコミュニケーションが欠かせません。

パラダイムシフトの中で、理学療法士(Physical Therapist : PT)の役割も動作・活動の困難に対する受動的治療(生活を守る治療)の提供から、患者さんが希望する生活様式の実現や活動への参加促進などを目標とした能動的治療(人生を守る治療)の実践へと進歩が求められています。

そして,PTに限らずリハビリテーション専門職には、アドヒアランスや自己効力感,レジリエンス(resilience)向上など心理社会的側面にも配慮し、パラダイムシフトを患者さんの社会参加につなげるための包括的なリハビリテーション治療を実践するチーム医療に能動的に関与し、主体的に行動することが望まれています。

文責)

道後温泉病院リウマチセンター リハビリテーション科理学療法部門
島原範芳
大阪医科薬科大学 医学部 総合医学講座 リハビリテーション医学教室
佐浦隆一

 

理学療法士からの声

「慢性疼痛患者に対する当院リハビリテーション部の試み」
金子 基史(早石病院 リハビリテーション部)