医学生・若手医師のみなさま 医学生・若手医師のみなさま

勤務医からの視点 平賀 寛人(70号)

北の国から~桜満開の弘前より~

平賀 寛人
弘前大学医学部附属病院 消化器・血液・膠原病内科

拝啓 全国のリウマチ学会会員の皆様、COVID-19流行下での診療、本当にお疲れ様です。学会や対面でお会いする機会がすっかり減ってしまいましたが、お元気にお過ごしでしょうか?

…先日亡くなった田中邦衛さんを偲んで、北の国から風に、現在(2021/4/20)桜満開の青森県は弘前より、当科の近況をご報告させて頂きます。当科は消化管・免疫グループ、肝・胆・膵グループ、血液・化学療法グループで日々の診療にあたっております。全国的にも消化管と膠原病が同じ診療グループで担当している施設は少なく、当科の特色かつ長所です。免疫外来では、難治性自己免疫疾患とされる炎症性腸疾患・リウマチ膠原病の診療を担当しています。専門外来は専門医三人体制で、月・火曜日(午前・午後)、水曜日(午前)です。診療実績は、主な特定疾患診療数では、潰瘍性大腸炎 170名、クローン病 100名、全身性エリテマトーデス 110名、ベーチェット病80名、炎症性筋炎・混合性結合組織病 50名、強皮症 50名となっています。また、全国有数のカプセル内視鏡検査数(2019年:小腸 100件、大腸 87件)を誇り、炎症性腸疾患のみならず自己免疫疾患関連の消化管病変の診断・治療を得意とし、腸管ベーチェット病に関しては東北屈指の診療患者数を誇っています。分子標的治療に関しても、炎症性腸疾患から関節リウマチまで幅広い疾患にわたり約180件/月(インフリキシマブ、ベドリズマブ、ウステキヌマブ、べリムマブ、トシリズマブ、アバタセプト、セルトリズマブペゴル、ゴリムマブ)施行しています。病態の把握と適切な治療を行うために、免疫学・分子生物学といった基礎医学の知識と、問診・身体所見・検査所見から総合的に判断できる幅広い臨床能力が要求されるため、診療のみならず、病態解明と治療成績向上のために日々基礎研究も続けています。主な研究テーマは、炎症性腸疾患の病態解明に関する研究(①レチノイン酸によるマクロファージ・パイロトーシス制御機構の解明と炎症性腸疾患治療としての可能性、②シクロスポリンによるSTAT3シグナル調節による腸上皮細胞アポトーシスの制御効果)、炎症性腸疾患の臨床研究(クローン病患者における再燃もしくは寛解維持予測因子の検討、潰瘍性大腸炎治療反応予測バイオマーカーの探索)、関節リウマチの臨床研究(治療効果判定及び骨破壊進行予測におけるMRIの有効性の検討)等があります。明るく!楽しく!激しく!がキャッチフレーズで、自己免疫疾患の臨床・研究に興味のある仲間を募集しています。北海道・東北各施設の先生方はもちろん、全国リウマチ学会員の先生方には平素より大変お世話になっております。今後とも御指導の程、何卒よろしくお願い致します!!

 

免疫グループの仲間たちと。前列向かって左端が著者です。

免疫グループの仲間たちと。
前列向かって左端が著者です。