医学生・若手医師のみなさま 医学生・若手医師のみなさま

開業医からの視点 永山 芳大(70号)

コロナ禍における関節リウマチ診療

永山 芳大
永山リウマチ整形外科
 

2003年神戸大学を卒業後、大阪大学整形外科へ入局し、星ヶ丘厚生年金病院、NTT西日本大阪病院、大阪大学病院、ベルランド総合病院、大阪労災病院で勤務いたしました。豊富な症例に恵まれた病院ばかりで、整形外科領域の多岐にわたる疾患を経験させていただきました。中でも、リウマチ診療の魅力に取り憑かれるようになり、前任地の大阪労災病院では手術に外来にとリウマチ診療にどっぷり浸かった大変充実した勤務医生活を過ごしておりました。勤務医を継続することへ未練たっぷりだったのですが、2016年に父が開院していた永山医院を、永山リウマチ整形外科へ改称し継承致しました。

開業医になるからには病院勤務時と同等レベル以上のリウマチ診療をしようと考え、生物学的製剤投与のための点滴スペース、院内迅速血液検査機器、関節エコー検査機器、全身型DXA機器を備えることとし、リウマチ治療の四本柱の一つでありながら病院勤務時には対応できていなかった通院での運動器リハビリテーションを行うべく、建て替えての継承開業となりました。

病院勤務時代からフォローしているリウマチ患者さんの多くが開業後も来て下さった事に加え、地域の病院、開業医の先生方よりご紹介頂き、現在550人程の関節リウマチ患者さんが通院され、その約30%に生物学的製剤・JAK阻害剤を使用しています。

開業当初は医療保険と介護保険の違いも知らず、診療報酬点数もほとんど知らないという体たらくで、レセプトにはとても苦労しました。開業すると、人事、経営などの業務にも責任者として取り組まないといけませんので、関連する書籍を色々と読んだりして、医療以外にも勉強することの多い日々です。

コロナ禍となり、当初はマスク、消毒液、アルコール綿などの確保に大変苦労しました。日々新たに出される新型コロナ関連の報告をチェックしては、適切な感染対策を講じるよう努め、患者さんとスタッフの不安を和らげるよう心がけています。現時点では免疫抑制剤使用が感染リスクを上昇させるというエビデンスは報告されていないので、できるだけ今のリウマチ治療を継続するよう患者さんへ説明しています。当院では患者数減少はなく、関節リウマチ治療は患者さんにとって不要不急にあたらないものだということを改めて感じています。

できるだけ多くの方にワクチン接種していただくよう個別接種医療機関として尽力し、コロナ禍鎮静化の一助となることを願っています。

 

永山リウマチ整形外科 スタッフの方々と

永山リウマチ整形外科 スタッフの方々と