医学生・若手医師のみなさま 医学生・若手医師のみなさま

開業医からの視点 小早川 知範(66号)

患者ファーストで考えるクリニックを目指して

小早川 知範
小早川整形リウマチクリニック

2018年4月1日に静岡県袋井市に小早川整形リウマチクリニックを開院させていただきました。開業の地である同市は人口約8万3千人の街で、遠州三山と呼ばれる法多山・油山寺・可睡斎などが有名です。また、毎年夏に行われる遠州ふくろい花火大会は2万5千発の花火が打ち上げられ、その規模・質ともに全国に誇れる素晴らしいものであります。

電子カルテが普及する昨今、医師は本来の業務である「患者様の声を聴く、患者様に触れる」という行為が少なくなっていると感じておりました。そこで当クリニックの開業にあたっては、医療専門事務によるカルテ代行入力システムを導入しました。また、医師が診察室を移動することで、患者様の入退室に時間を取られる事なく診療できるようにしました。その結果、医師はなるべく電子カルテではなく患者様に触れながら、効率の良い診察が可能となりました。

また当院では、リウマチ専門医/指導医である父と二人三脚で診療にあたっており、リウマチケアナースは、3名いるため、十分に患者様の声を聴くことができます。設備面では、MRI(1.5T)や超音波機器、採血検査機器、全身型骨密度測定器を整え、迅速に診断・治療を行うべく取り組んでおります。

関節リウマチ(RA)は、診断・治療ともに入り口を間違ってしまうと患者様にとって不幸な結果をもたらしてしまう疾患です。以前は有効な治療法も少なく、感染症へのリスクマネージメントもされないまま診療が行われておりました。現在では、アンカードラッグであるMTXをはじめ、biological DMARDs (生物学的製剤)などの登場により、治療は劇的に変化しました。一方でリスクマネージメントがとても重要となってきております。院内に採血検査機器を導入しているため、約10分程度で血算・生化学の検査結果が分かり、治療を行う上で重要な副作用のcheckなどをリアルタイムのデータを見て判断する事ができます。RAは早期に疾患活動性を抑え込まないと不可逆的な骨破壊を生じてしまう事がわかっており、治療にも専門的な知識が必要な疾患であるため、リウマチ専門医が診るべき疾患だと私は考えております。

また当院では、RAの合併症として重要な疾患である骨粗鬆症にも特に力をいれて診療に当たっております。この地域では骨粗鬆症に対する意識が低く、脆弱性骨折後に骨粗鬆症が発覚するケースが大半を占めております。また治療面においても、漫然とビスフォスフォネートやビタミンD製剤が使用されている傾向があり、特にビスフォスフォネート製剤の長期使用による、非定型骨折のリスクの上昇や顎骨壊死に関する誤った認識が広く浸透してしまっており、患者様に不利益な結果をもたらしてしまうことも散見されます。骨粗鬆症治療は現在、デノスマブやPTH製剤、さらに抗スクレロスチン製剤であるロモソズマブが登場し、患者様の病態にそった薬剤選択が必要となってきます。今後の骨粗鬆症治療は、骨密度検査(DXA法)(腰椎・股関節)のある施設、骨粗鬆症マネージャー、骨粗鬆症認定医のいる施設での治療が必要だと思います。

最後となりますが、「患者様には常に優しく、笑顔を絶やさない」をモットーにこれからも診療にあたっていく所存でございます。地域医療のレベルアップに少しでも貢献できるように、スタッフ一同、日々勉強、努力を惜しまず、患者ファーストの治療を行って参ります。

 

待合室

待合室

リハビリ室

リハビリ室

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