医学生・若手医師のみなさま 医学生・若手医師のみなさま

開業医からの視点 金子 元英(65号)

一般内科診療から見えてくるリウマチ治療

金子 元英
かねこ内科リウマチ科クリニック
 

2004年5月当院は、旧国立競技場の聖火台を作成した鋳物の街、埼玉県川口市で産声を上げました。最近では関東1都3県で最もすみやすい街に選ばれました。

私自身がこの川口で生まれ育った事が、この地を選んだ一番の理由でした。開業以前は当院から歩いて数分の川口市立医療センターへ勤めていました。ただこの病院には、呼吸器科医として赴任しました。
しかし、他のリウマチ医もいなかったため呼吸器とリウマチ・膠原病を診させて頂きました。並行して救急病院である三愛病院にも勤める時期もあり急性から慢性疾患に至るまで勉強できる機会を頂けたと思います。この事は開業医としては当時珍しかったリウマチ科を標榜できた事にもつながっています。

2003年7月に日本で初めて生物学的製剤が使えるようになりました。しかし、開業医で使用する、いや使用できる先生は余りいなかったと思います。

開院当初から当治療を積極的に導入していったのですが、当時は色物医師として見られました。まず、MTXの使用についての啓蒙からでした。これが大変で、バイオ製剤の話をすれば、先生はMTXは使わないのかと勘違いされ、MTXを使えば抗癌剤を使うのかといわれました。WOCBAについても積極的に取り組み、挙児希望の患者様にもMTXを使っていきました。そのうえでIFXを使用、さらにETN単独治療に変更、元気なお子さんの出産報告を受けたときは涙が出ました。今、このお母さんは3児の母になっています。

MTXは、有害事象として骨髄抑制、間質性肺炎の問題があります。両事象ともある重症度の差があれど、一定の確率で認められました。軽症レベルで病院へ紹介も、リウマチがあるとわからないと言われたり、なぜリウマチにこんな薬を使っているんだ、使うとしてもクリニックで使うのは如何なものかといわれました。ただ捨てる神あれば拾う神ありでした。特に順天堂越谷病院の小林茂教授(当時)には沢山のアドバイスを頂けました。時期に沢山の先生の理解を得られるように変わっていきました。

現在までに開業以来22000名の患者さんが来られました。一般内科が2/3を占めます。

リウマチ患者さんは現在850名です。この患者さんを診ていのにどうしても避けて通れないのが診察時間でした。どうやっても通常診療時間では無理でした。そこでスタッフと相談、夕方診療は延長すれば研究会への参加は不可能になります。早朝6時半からの診察に変更していきました。スタッフも増員、現在総勢25名になっています。何より感謝なのはブラジルへ行ってしまったナース一人以外全てのスタッフがまだ共に頑張ってくれていることです。リウマチケアナースは3人になりました。

私は、リウマチの専門医に誇りを持っています。私のモットーは「心こそ大切なれ」です。リウマチ患者さんはたくさんの合併症を持っていることが多いです。それは心身共にです。最近は身体的所見以上に心の満足度が注目されています。そこまで診ようとしているのがリウマチ医です。一開業医ですが一開業医だからこそこの想いを大切にして行きます。若き素晴らしいリウマチ医が育つことを願って止みません。

 

院内でスタッフ一同と

院内でスタッフ一同と

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