医学生・若手医師のみなさま 医学生・若手医師のみなさま

『なぜ整形外科医がリウマチ治療を...』~リウマチ整形外科医を目指して~

鈴木 望人
名古屋大学医学部附属病院 整形外科

名古屋大学医学部附属病院整形外科の鈴木望人です。2008年に浜松医科大学卒業後、名古屋医療センターで初期研修を行った後、名古屋大学整形外科に入局しました。名古屋医療センターで整形外科医として働き始めた時、専門分野を『リウマチ』とすることは微塵も考えていませんでした。しかし骨折患者や慢性疾患を診療するうちに、幅広く患者さんの治療に携わることのできる関節外科が自分の目指すところではないかと考えるようになりました。一概に関節外科と言っても股・膝・足・肘など様々な分野があるにも関わらず、名古屋大学整形外科リウマチ班はすべての関節治療に関わっていくことができる場所でした。これこそが『リウマチ』という分野に腰を据えて、専門治療に携わっていくことを決めた理由であります。

実際にリウマチ診療に携わってみると薬物療法から手術療法まで様々ありますが、一番魅力的に感じていることは自分たちが手術をしなくてもいいように薬物療法で疾患コントロールできることです。疼痛のために手術まで考えているような患者さんに対して薬物療法を行うことによって手術を回避することもできます。また一人の関節リウマチ患者に対して、診断から手術までトータルマネージメントできることは、日本ならでは、さらにはリウマチ整形外科医ならでは、でないでしょうか。薬物療法で治すことのできない機能障害に対して、自らが施した手術によって患者さんのADLが改善した時の喜びは何にも代えがたいものです。もちろん手術せずに薬物療法だけで寛解を目指すことが最も望ましいですが。

幸いにも整形外科として働きだした名古屋医療センターで多くのリウマチ整形外科医と一緒に働くことができたのが現在の立ち位置にいる一番の理由かもしれません。今後私が影響を受けたようなリウマチ整形外科医を増やすことは我々の使命であると考えています。リウマチ治療に携わることを少しでも考えている若手医師の方たちは、まずは病態・薬物療法に興味を持ち、自らの手術スキルで患者さんを救うことを想像してみて下さい。この文章を読んで下さった先生と将来一緒に働く日が来ますように。