医学生・若手医師のみなさま 医学生・若手医師のみなさま

ライフステージに応じたリウマチ診療

河野 千慧
国立成育医療研究センター 母性内科(リウマチ・膠原病)

私は千葉大学を卒業し、初期研修後、千葉県済生会習志野病院リウマチ膠原病アレルギー科で後期研修をさせていただきました。医師になった当初はリウマチ科の道へ進むということは思ってもいませんでしたが、多様な病態を呈するリウマチ性疾患に興味を持ち、また全身を診ることが必要とされる一方で高度の専門性も有しgeneralistとspecialistの両面を併せ持つことにも魅力を感じ、リウマチ科を選択しました。

後期研修では屋根瓦方式の手厚いご指導のもと、治療奏効例から難治例・予後不良例まで多くの症例を経験させていただき、同一疾患でも多種多様な経過を呈し、病態や治療など日々進歩していくリウマチ膠原病の面白さや難しさを実感しました。同時に、様々な年齢層とバックグラウンドを有する患者さんのライフステージに応じた診療の重要性を認識するようになりました。中でも妊娠・出産という人生の一大イベントに直面する女性患者さんの診療は私にとって大きな課題であり、同じ疾患であっても「妊娠」という言葉がついた途端に身構えてしまい患者さんに十分な情報提供ができない自分に、このままではだめだと感じるようになりました。

そこで、後期研修でお世話になっていた先生方や千葉大学中島教授のお力添えをいただき、国立成育医療研究センター母性内科、妊娠と薬情報センターの村島先生のもとで勉強をさせていただけることになりました。

母性内科では、疾患や薬剤による妊孕性の問題や、膠原病と妊娠が相互に及ぼし合う影響、妊娠・授乳と薬剤の考え方など、多くのことを考慮したリウマチ診療を学ばせていただいています。合併症妊娠の中でも特にリウマチ膠原病領域についてはまだ情報が十分とはいえず、エビデンスの蓄積や発信のため、臨床研究についても多くのご指導をいただいています。また、ダイナミックに変化し多様な症状を呈する妊婦さんについて、糖内分泌や腎高血圧、産婦人科など各領域の先生方と共にお仕事をさせていただき、日々新たな発見のある毎日です。好ましい結果とならずに患者さんや先生方と涙することもありますが、つらい経験を乗り越え無事出産された患者さんの笑顔を見ることができた時は、この仕事をしていて本当に良かったと感じることができます。

リウマチ膠原病は難しいことも多い分野ではありますが、ひとりの患者さんと長期に関わることのできる数少ない診療科のひとつだと思います。これからも、リウマチ膠原病について学んでいくとともに、患者さんの個々のライフプランを考慮した診療やサポートができるよう、邁進していきたいと思います。
 拙文ではありますが、リウマチ膠原病や合併症妊娠について、少しでも多くの方々に興味を持っていただけると幸いです。

 

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