医学生・若手医師のみなさま 医学生・若手医師のみなさま

共に膠原病・リウマチ内科学を学びませんか

神谷 麻理

 左から筆者、小宮先生、
 溝口先生、馬場先生
神谷 麻理
東京医科歯科大学医学部附属病院 膠原病・リウマチ内科

2009年に東京医科歯科大学を卒業後、初期研修を経て、膠原病・リウマチ内科学分野に入局しました。今思い返せば、学生の頃から何となく基礎研究に興味があり基礎系の研究室に出入りさせていただいていたこと、実習や研修を経て臨床への意欲も大いに高まったことで、基礎研究と臨床の距離が近い分野として膠原病・リウマチ内科に着目したように思います。治療の進歩が目覚ましかったことは言うまでもなく、さらに東京医科歯科大学膠原病・リウマチ内科は膠原病の最後の砦と称される施設で、難治性病態の患者さんを診断学・治療学の知識を生かし、時に病態を考察したうえでの応用的治療を駆使して診療する先輩方に憧れを抱きました。教室のアットホームな雰囲気も魅力的で、入局の決め手の一つでした。

関連病院、大学病院での専門研修を経て、10年余り診療に携わっていますが、同じ診断名であっても多様な病態を呈し、その上多様な背景を有する患者さんを、治療の進歩の波に乗り診療する日々は、今尚勉強になることばかりです。多彩な臓器病変の診療に他診療科のご協力を仰ぐことは不可欠ですが、私達からは専門性を礎とした筋骨格系の診療や総合診療的側面からの力添えが可能な点も当科の長所の一つと感じます。

2015年からは炎症性筋疾患に関する基礎研究にも携わっています。治療の進歩が目覚ましい一方で、現行診療におけるunmet needsも数多くあります。炎症性筋疾患に関して例示するならば、標準治療であるグルココルチコイドがステロイド筋症を介して更なる筋力低下を誘導すること、グルココルチコイドや免疫抑制剤が感染症リスクを高めること、さらにこれらの治療で炎症が制御できても多くの症例で筋力低下が残存することなど枚挙に暇ありません。unmet needsの解決を目標とする研究こそが、診療も行う私達Physician Scientistの取り組むべき研究であると肝に銘じ、非特異的な免疫抑制を介さず、かつ筋力回復に有効な治療法開発を目指し奮闘しています。タフでチャレンジングなことも織り交ざっていますが、時には鳥肌の立つような結果も得られ、基本的にはわくわくする毎日を過ごしています。

医師生活13年目を迎え、診療や研究に一層精進することは勿論のこと、これまでご指導いただいたことを守り、活かし、微力ではありますが次の世代に繋げていきたいと思っています。何らかのご縁でこのページを訪れてくださった学生、研修医、若手医師の皆様、共に膠原病・リウマチ性疾患の診療、研究に取り組んでみませんか。