一般社団法人日本リウマチ学会
会員各位
平素は、関節リウマチ診療にご尽力いただきありがとうございます。
この度、サノフィ株式会社が製造販売しておりますコレスチラミン製剤「クエストラン®粉末44.4%」(一般名:コレスチラミン)、および、抗リウマチ薬「アラバ®錠」(一般名:レフルノミド)の供給ができなくなるとの情報を受け取りました。日本リウマチ学会は、患者や処方医の立場を鑑みて、治療ガイドラインにも記載されているアラバ®錠の販売停止は決して認められないとする立場です。その方針に基づき、解決策を厚生労働省およびクエストラン®とアラバ®錠の製造販売元であるサノフィ株式会社に強く要求してきました。
本件の原因は、クエストラン®の原薬から発がん性物質であるNDMA(ニトロソアミン類)が検出されたことを受け、原薬製造メーカーからの原薬調達が困難な状況となったとためという情報です(現在既に販売流通されている本剤については、基準値内である旨確認されており問題ないとのことです)。詳細は、サノフィ株式会社のホームページをご参照ください。
クエストラン®は高コレステロール血症の治療薬であるとともに、アラバ®錠の活性代謝物を体内から除去する目的で使用される重要な薬剤です。レフルノミドは、2026年3月13日よりオンラインで公開されました欧州リウマチ学会EULARの関節リウマチ診療レコメンデーション 2025 updateにおきましても、「メトトレキサートを禁忌や不耐症で使用できない際にはレフルノミドもしくはスルファサラジンを検討する」と位置付けられており、アラバ®錠は関節リウマチ診療において重要な薬剤です。添付文書において、アラバ®錠による重篤な副作用発現時や妊娠・挙児を希望する場合など、速やかな体内除去が必要な際の唯一の薬物除去法としてクエストラン®の使用が記載されています。したがいまして、クエストランの供給継続ができなくなると、アラバ®錠の処方もできなくなる、という事態に追い込まれます。
サノフィ株式会社は原薬の代替供給先の探索を含め、クエストラン®の供給継続に向けた検討を進めているものの、現時点では見通しが立っていないとのことです。このため、日本リウマチ学会ではサノフィ株式会社、日本動脈硬化学会と、現在あるクエストランの消尽時期を遅らせるべく検討を重ねました。サノフィ株式会社は、2026年5月1日頃より高コレステロール血症治療に対するクエストランの出荷を停止すると発表します。同時に、日本リウマチ学会からの要請に基づき、サノフィ株式会社はクエストラン®の出荷停止後も、「レフルノミドの活性代謝物の体内からの除去」を目的とするクエストラン®の供給については、維持する方針と聞いております。具体的な手続きにつきましては、サノフィ株式会社から後日(4月頃予定)改めて情報提供される予定です。ただし、アラバ®錠の使用におきましては、薬剤特性や発売後からこれまでの経緯などを熟知したうえで、十分なリウマチ診療の経験のある専門医により生物学的製剤やJAK阻害薬を使用するのと同様の慎重な症例選択やモニタリングを行い、万が一副作用が生じた場合、緊急時に措置ができる医療施設であるか連携がとれる施設での処方が望ましいと考えます。詳細は添付文書をご参照ください。
日本リウマチ学会では、解決策を厚生労働省およびサノフィ株式会社と共に鋭意検討を続け、当初は、クエストラン®の出荷停止と同時にアラバ®錠の販売も停止される可能性があったところ、協議によりその事態は現時点では回避されています。しかし、出荷停止後に上記目的の為に供給予定のクエストラン®の最終製造ロットの使用期限は2028年10月であり、以降はアラバ®錠の販売も停止となります。したがって、本学会としては、引き続き厚生労働省およびサノフィ株式会社に対し、クエストランの継続供給の道を模索し、必要な患者のみなさまにアラバ®錠を安心して継続使用できる環境の整備と、アラバ®錠の安定的な供給体制の構築を強く求めてまいります。進展があり次第、速やかに会員の皆様にご報告いたします。
<クエストラン®に対するお問合わせ先>
サノフィ株式会社 くすり相談室
電話番号 0120-109-905(フリーダイヤル) 月~金 9:00~17:00 (祝日・会社休日を除く)
2026年3月23日
日本リウマチ学会 理事長 田中良哉
社会保険委員会委員長 桃原茂樹
医薬品安定供給検討小委員会委員長 中島亜矢子
