医学生・若手医師のみなさま 医学生・若手医師のみなさま

関節リウマチってよくわからんと感じていた医学生、その10年後

惠谷 悠紀
大阪大学大学院医学系研究科 整形外科

平成23年に卒業後、平成25年に大阪大学整形外科教室に入局した惠谷悠紀と申します。
後期研修で関連病院をいくつかローテートするなかで関節リウマチの治療に魅力を感じるようになり専攻分野として関節リウマチ外科を選択しました。
現在は大学院での研究生活を終え、大学病院で関節リウマチの手術治療・マネジメントを勉強しています。

整形外科、特にリウマチ外科の魅力は、筋骨格構造を治療することで患者様のADL・QOLを改善することができることにあると考えています。 今日では生物学的製剤をはじめとした治療薬が開発・使用され、内科的治療で良好な成績が報告されていますが、関節が変形し日常生活に少なからぬ不便を感じている患者様と出会うことはしばしばあり、そのような場合はやはり整形外科の出番となります。
当院のリウマチ外科グループは足~足趾の手術を中心に、人工足関節置換術、矯正骨切り、前足部手術(外反母趾手術)など、多彩な手術を行っております。
手術は決して簡単なものばかりではないですし、創部治癒など術後の管理に苦労することもしばしばあります。
しかし、手術前にはとても歩けなかった患者様が退院後外来で元気に歩行して診察室に入って、笑顔で「手術をしてよかった」と言ってくれたときは整形外科医として何事にも代えがたい幸せを感じる瞬間であります。
今は指導医の先生方に教えていただく毎日ですが、早く一人前になって多くの患者様に笑顔をプレゼントできるように頑張って修行しています。

学生の頃勉強した関節リウマチは、「なんでかわからないけど関節で炎症が起こって機能障害が起こる、よくわからん病気」というような漠然とした印象を持っており、正直に言って将来自分が専攻するとは微塵も思っていませんでした。
そんな風に思っていた自分ですが、いろいろな人々との出会いの中で縁が生まれ関節リウマチ治療に深く関わるようになりました。
「まさか自分がリウマチやるとは思ってなかったし、人生って何が起こるかわからんなぁ」「でもリウマチのこともまだまだよくわからんなぁ」「けどリウマチも人生も、わからないことがあるから面白いんかもなぁ」、そんなことをぼんやり考えながら毎日楽しくやっています。
たまたま開いたページでこんなよくわからない文章を読んでくれたあなたも何かの縁がおありでしょう。関節リウマチというものに、一歩踏み込んでみてはいかがでしょうか。

関節リウマチ診療が今後も大いなる盛り上がりをみせることを願っています。