メディカルスタッフのみなさま メディカルスタッフのみなさま

看護師からの声 山田 美樹(71号)

クリニックにおけるリウマチケア看護師のかかわり
信頼され・満足のいくかかりつけ医療機関をめざして

山田 美樹
医療法人高島整形外科
山田 美樹

高島整形外科は、院長高島孝之が北摂茨木市に1995年8月に開設、以後医療法人化を経て現在に至っています。

当院では術後早期、スポーツによる障害、地元サッカークラブ「ガンバ大阪」のサポート等、多岐に渡る専門的なリハビリテーションを行っています。

そのような中で、日本リウマチ学会リウマチ専門医の院長の元にはリウマチ患者さんも多く来院されます。

当院では、生物製剤の自己注射指導や採血時に声掛けを行い、体調や何か困ったことがないか状態を把握するように努めています。しかし、関節リウマチと診断されても疾患受容に時間が必要な場合、経済面や薬剤の副作用の不安により生物製剤の選択を躊躇される患者さんもいらっしゃいます。

当院の看護師は、日本運動器学会認定セラピスト(以後セラピスト)の資格を取得しており、常時1名はリハビリテーションフロアーに配置されています。

関節リウマチと診断が確定された時・薬物療法の変更等、医師による診察時間だけでは、疾患及び治療方針の説明のみとなることもあります。患者さんの疾患理解が不十分な場合は、不安を抱かせてしまい、診察にかかわった外来看護師だけでなく、セラピスト看護師が患者さんの不安や疑問な点等の話を傾聴し、疾患受容・疾患理解・患者教育に努め、患者さんと一緒に目標達成に向けた治療ができるよう注力しています。

診察時には治療方針に納得されていても時間が経つにつれ不安が募り、医師には相談できない、家族に言えない、やはり考え直したいなどの悩みを持たれることも多く、セラピストの看護師にそのような思いを打ち明けてくださる患者さんもいらっしゃいます。

また、クリニックに来られる患者さんには、高額負担となる生物製剤の導入はハードルが高く感じられます。関節リウマチ治療薬の発展に伴い、薬物療法の選択も難しくなっています。その為当院では大阪大学免疫内科からリウマチ指導医を招聘し、2019年4月より新たに内科(免疫)も標榜、大学病院と連携して内科診療を開始しました。

整形外科と内科では、同じ関節リウマチ治療でも検査項目や治療方針が異なることもあるため、看護師、診察秘書は内科的観点からの勉強も必須となっています。整形外科的アプローチが必要な際は看護師が判断し整形外科の医師と連携をはかっています。

患者さんが必要な治療内容を理解し、安心して治療が行える環境を整えています。また、患者さんは同じような悩みや葛藤を抱いておられます。患者さんから得た経験を新たな関節リウマチ患者さんへ提供しより良い治療の選択ができるように、リウマチケア看護師としてこれからも貢献していきたいと思います。

 

朝礼風景 向かって右から整形外科院長、内科医、執筆者、他はスタッフです。

朝礼風景 向かって右から整形外科院長、内科医、執筆者、他はスタッフです。