メディカルスタッフのみなさま メディカルスタッフのみなさま

看護師からの声 松本 淳子(69号)

リウマチケアサロン「Sasaエール」の願い

松本 淳子
松原メイフラワー病院 看護部長
松本 淳子

松原メイフラワー病院は、1999年にリウマチ性疾患の総合的治療を提供する医療機関として兵庫県加東市に開院しました。この20年間の関節リウマチ(以下RAとする)の治療は生物学的製剤の開発により大きな進歩を遂げ「寛解」を得られるようになりました。しかし、慢性的に経過していく疾患であるがゆえに、長期的な治療を余儀なくされ、ご本人は勿論ご家族の不安は大きく患者様同士や医療職員との継続的な関わりができる環境が必要とされています。

私は2019年7月より看護次長として就任し、RA看護には経験が少ない中で、薬物治療だけに着目するのではなく、ご本人やご家族が私達と共に対話を通して「心理的寛解」への支援ができる場をつくりたいと考えました。その取り組みの一例として2019年より始めた「リウマチケアサロン」を紹介いたします。

当院では、「リウマチ教室」を長年開催してきましたが、どうしても一方通行の情報提供の場となり、検討を重ねてコメディカルによるリウマチケアに重点を置いたサロンを開催することになりました。当院に在籍する(公財)日本リウマチ財団登録看護師7名、薬剤師2名および理学療法士・作業療法士3名が活躍すべく、あえてコメディカルを主体としました。2か月に一度院内に集い、「サロン」の名の通り、お茶を飲みながらリラックスした雰囲気を大切にしました。内容の柱は、コメディカルと患者との交流、患者様同士の交流およびリウマチケア(呼吸法・リラクゼーション法、タッチケア・リウマチ体操、心理カウンセラーによる個別カウンセリング)の3つです。しかし、徐々に軌道に乗りだした頃、コロナ禍になり、対面での開催が不可能となったため開催方式をWeb会議方式に変更し、2020年7月より再開しています。参加人数は限られますが、コロナ禍で影響を受けている心身の変化を丁寧に汲み取るように心掛けています。Web会議方式は、高齢の方が参加しにくい事や、画面を通すため距離感が生じてしまうなど、もどかしさはありますが、全国どなたでも手軽に参加していただけるメリットもあります。今後はメンバー一丸となって更なるWeb会議方式ならではの内容及びサポートを充実し、「リウマチケアサロン」が皆様の拠り所としてご利用して頂けるよう開催して参ります。

1月よりサロンチーム名を「Sasaエール」とリニューアルしました(名づけの親は私です)。「支える」という言葉が語源です。この「Sasaエール」の「Sasa」は「笹」を意味しています。「笹」は、節句によく使われるもので、「節目」という意味もあるそうです。7月の七夕の際、短冊に願いを書き笹の葉に結ぶ習慣があります。一人ひとりの願いが少しでも叶えられるように、私たちに何かお手伝いできれば、安心できる言葉(エール)を贈ることができれば、との思いです。皆様の支えになるよう努めて参ります。

最後に、2021年も新型コロナウィルスとの共生が続きますが、一人ひとりの治療目標へ向かって、安心して日常生活を送って頂ける事が私達の願いです。

 

リウマチケアサロンの一場面(タッチケアの一場面)

リウマチケアサロンの一場面(タッチケアの一場面)

リウマチケアサロンの一場面(一人ひとりに寄り添った看護場面)

リウマチケアサロンの一場面(一人ひとりに寄り添った看護場面)

リウマチケアスタッフの仲間たち(リウマチケア看護師や薬剤師・リハビリスタッフ。前列中央が筆者。)

リウマチケアスタッフの仲間たち(リウマチケア看護師や薬剤師・リハビリスタッフ。前列中央が筆者。)