メディカルスタッフのみなさま メディカルスタッフのみなさま

看護師からの声 芦澤 麻土香(67号)

リウマチケア病棟看護師の奮闘

芦澤 麻土香
社会医療法人 善仁会 市民の森病院

社会医療法人 善仁会 市民の森病院は、1983年開院し、リウマチセンターは1989年に開設されました。その後、日高利彦医師センター長就任のもと2003年に膠原病リウマチセンターへ名称変更されました。

私は2008年に入職し、多くのリウマチ患者様と関わらせて頂き13年経過し、現在に至ります。入職当初に関わらせて頂いた患者様は、関節破壊が進みADLも低下し、車椅子や寝たきりの方が多い状況でした。私達看護師は、痛みの緩和や食事の方法、感染予防など日常生活の援助につながる看護の実践を主に実施していました。しかし患者様からは、『痛い』『動かないのが怖い』また関節の変形により『手を見せるのが恥ずかしい』などの声が聞かれた為、リウマチ患者様特有の悩み・不安の軽減や痛みの緩和につなげられる研修に参加し、ケアの提供を行っていました。そんな中、生物学的製剤(以下、BIO)が登場しました。当時投与されている方は少なく約70名程でした。この患者様方が治療を受けるごとに、徐々に痛みが和らぎ、QOLが向上していきました。患者様の症状が改善していくのを目の当たりにし、私も嬉しく、リウマチケア看護に目覚めるきっかけとなりました。以降、目覚ましいリウマチ治療の進歩により関節リウマチの患者様の入院の殆どが、BIO導入・実施目的になっていきました。更にBIOの選択肢も増え、デバイスも多様化してきた為、病棟でのリウマチ看護は自己注射の指導や感染予防、BIO継続を前提とした日常生活の指導が主になってきました。これを受け、どの看護師が担当しても統一した患者指導が出来るように、製剤毎の導入パスの作成、BIO製剤の勉強会の開催、科学的看護論を基に患者様の全体像を捉え、生活を見据えた個別性のある医療看護の提供を行っています。『患者様がなぜ出来ないのか』ではなく、『どうやれば出来るか』をその都度考えるように、看護職員に伝える事を心掛けています。実際に患者様と関わると、お腹を上手くつかめない方や、BIO皮下注射時に手元が見えない方など、パンフレットが示すようには、実践出来ない方が多くいらっしゃいます。そんな時に私達の関わりが必要になっていきます。当院ではリウマチ専門看護師が諸事情で減り少ない現状ですが、様々な生活背景のある患者様一人一人に関わり、指導をする事で大きなやりがいがある事を伝えて、より多くの仲間にリウマチ診療に興味を持って関わってもらい、患者様の治療に貢献していければと、日々奮闘しています。

 

リウマチセンターメンバーを中心に開催した忘年会(一番下段の右から3番目が筆者)

リウマチセンターメンバーを中心に開催した忘年会(一番下段の右から3番目が筆者)

リウマチ科専門医、登録リウマチケア理学療法士、登録リウマチケア看護師(一番右が筆者)

リウマチ科専門医、登録リウマチケア理学療法士、登録リウマチケア看護師(一番右が筆者)