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メトトレキサート(MTX)

メトトレキサートとは

メトトレキサート(MTX)は、世界中で最も広く使用されている関節リウマチ(RA)の治療薬です。日本では1999年に承認され、RA治療薬として使用できるようになりました。高い有効性、継続率、骨破壊進行抑制効果や、生活の質(Quality of Life: QOL)、生命予後(寿命)の改善効果が示され、関節リウマチ治療の第一選択薬(診断されたらはじめに使用する薬)、アンカー薬剤(中心的役割を担う薬)となっています。しかし、もともと肺の病気があったり、腎臓や肝臓の機能が悪いとMTXを使用できないこともあるため、使用前には十分な検査が必要です。

服用方法

MTXは週に一回、1~2日に分割して内服する薬です。妊娠、本剤成分に対する過敏症、胸・腹水を認める患者、重大な感染症や血液・リンパ系・肝・呼吸器障害を有する患者は内服できません(禁忌)。通常は6 ~8㎎/週より開始しますが、ご高齢、腎機能低下、アルコール常飲者の方はもう少し少ない量より開始することもあります。効果が現れはじめるのに数週間程度かかります。すぐには効いてこないので継続して内服する必要があります。有効性と副作用に注意しながら徐々に増量が可能です。日本では最大16㎎/週まで増量可となっています。8㎎/週以上では副作用予防目的にMTX内服最終日の翌日または翌々日に葉酸の内服が勧められています。内服開始後半年以内は2~4週ごと、その後状態が安定している場合には4~12週ごとに、採血などの検査を行うことが望ましいとされています。

副作用

大部分の方は副作用なく内服継続できますが、頻度は多くないもののいくつか注意すべき副作用があります。内服開始早期に多い副作用として消化器症状(口内炎、嘔気、下痢など)、量が増えていくと肝障害などがあります。また、内服期間中は、感染症、骨髄抑制(血球減少)、間質性肺炎、リンパ増殖性疾患などに常に注意が必要です。多量の飲酒は副作用のリスクとなるので最低限としましょう。また、喫煙は薬の効果を低下させ、肺や血管の病気が進行することで治療の妨げとなるので禁煙を心がけましょう。

こんな時は医師にご相談下さい

妊娠、授乳中の内服は禁忌となっています。MTX内服中や、内服中止後少なくとも1月経周期が過ぎるまでは妊娠を避ける必要があります。妊娠を計画される場合には、必ず事前に医師にご相談下さい。また、MTXは免疫抑制剤ですので、感染には注意が必要です。発熱、咳、息切れなど呼吸器感染症、その他感染症が疑われる場合には内服を中止し、医師にご相談下さい。いつもと異なる症状や、気になる症状があるときは、医師に相談したり、早めに受診して下さい。

参考資料

添付文書、メトトレキサートを服用する患者さんへ 第2版(日本リウマチ学会)、メトトレキサート診療ガイドライン 2016年改訂版(日本リウマチ学会)、Patient Fact Sheet (American College of Rheumatology)

国立病院機構相模原病院リウマチ科
野木真一先生

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