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IgG4関連疾患

IgG4関連疾患とは

IgG4関連疾患(IgG4 related disease: IgG4RD)とは、主に膵臓、唾液腺、涙腺、腎臓、血管/後腹膜などを含む全身のいろいろな臓器が腫れたり、硬くなったりする原因不明の病気で、何らかの免疫異常が関わっていると考えられています。多くの患者さんでみられる特徴的な免疫異常の一つとして、IgG4という免疫グロブリンの一種が血液中で高値であること、おかされた臓器にIgG4を産生する細胞が数多く浸潤していることが挙げられます。唾液腺、涙腺がおかされる患者さんでは男女差がはっきりしませんが、膵臓や腎臓、血管/後腹膜に病変を持つ患者さんでは、一般に高齢の男性に比較的多くみられます。

症状・検査

自覚する症状がないか、あっても軽度であることが多い病気です。また、おかされる臓器により現れてくる症状も異なり、膵臓や胆管の病変では腹痛や皮膚の黄染(黄疸)が、唾液腺、涙腺の病変では同部の腫れに加えてドライアイや口腔乾燥が、肺の病変では咳や喘鳴が、血管周囲や骨盤内の病変ではむくみや腹痛、腰痛などがみられることがあります。また、この病気自体は悪性腫瘍ではありませんが、病気の診断の前後や治療の経過中に、悪性腫瘍(悪性リンパ腫、いろいろな臓器のがん)を認めることが一般人口における頻度よりも多いとされています。
検査結果では血液中の免疫グロブリン、特にIgG4値の増加がしばしばみられ、またおかされる臓器により腎機能障害(腎臓、血管周囲・骨盤内病変)、血中ビリルビン値や肝胆道系酵素の上昇(膵臓、胆管病変)などを認めることがあります。CT検査などの画像検査で、おかされた臓器は全体的もしくは部分的に腫れることが特徴ですが、早期の段階では腫れが目立たないこともあります。確定診断のためには、おかされている臓器の一部を採取(生検)することが望ましく、得られた組織ではIgG4の産生細胞を含んだ炎症像や線維化を認めることが特徴です。

診断

これまでに述べてきた、症状、血液検査、画像検査の特徴や、生検が行われた場合はその組織の特徴を総合的に考慮して診断されます。IgG4関連疾患は指定難病のため重症度に照らした上で医療助成の対象となることがあります。

治療

ステロイド治療が有効です。稀に腫れが自然に改善することもありますので、おかされた臓器の機能障害が明らかでない場合は治療を急がないこともありますが、機能障害が明らかな場合には速やかな治療開始が必要です。この病気におけるステロイド治療では大量投与を必要とすることは稀で、中等量以下でよいとされています。ステロイド治療においてはいろいろな副作用が起こることもあり得ますので、それによりステロイドを使用できない時や、ステロイドの効果が十分でない場合には免疫抑制薬を使用することがあります。

生活上の注意点

一般的なこととして、アルコールの多飲、喫煙、ストレス、不眠などを避け、規則正しい生活をすることを心がけましょう。また、ステロイド、免疫抑制薬での治療中には、手洗い、うがい、マスク着用、人込みを避けるなどの感染予防をしっかり行いましょう。

専門医への相談のポイント

ステロイドの減量や中止に伴い、おかされていた臓器の病変の再発・再燃や新たな臓器における病変の出現が比較的よくみられる病気です。そのため、治療の導入やその後の経過観察において、専門医のもとで定期的な評価を受け、治療方針の相談をしましょう。

金沢大学附属病院リウマチ・膠原病内科
水島伊知郎先生

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