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副腎皮質ステロイド

ステロイドとは

私たちの体内には様々なホルモンが存在し、その中の一つに副腎で作られるステロイドホルモン(corticosteroid:CS)があります。これを治療薬として使用する場合、通称ステロイドと呼ばれます。

ステロイドの種類

ステロイドは薬の作用時間によって、①短時間型、②中間型、③⻑時間型に分けられます。代表的なものとしては、

  1. ①短時間型:ヒドロコルチゾン(商品名:コートリル)
  2. ②中間型:プレドニゾロン(商品名:プレドニン)、メチルプレドニゾロン(商品名:メドロール)
  3. ③⻑時間型:ベタメタゾン(商品名:リンデロン)、デキサメタゾン(商品名:デカドロン)

があります。

ステロイドの作用機序

ステロイドは細胞の中に入った後にグルココルチコイド受容体(GR)に結合します。ステロイドの結合したGRは、細胞の核内へ移行し、炎症に関与する遺伝子の発現を調節すると言われています。この結果として強力な抗炎症作用と免疫抑制作用が発揮されます。

ステロイドの適応疾患

ステロイドはほとんどの膠原病疾患に適応されます。

ステロイドの副作用

ステロイドの主な副作用とその対策を下記に示します。これらの副作用は患者さんの全てにみられるわけではなく、疾患、内服量、内服期間などにより様々です。

  1. 易感染性:免疫力が低下するため感染症にかかりやすくなります。手洗い、うがい、マスク着用、人混みを避けるなど感染症対策をして下さい。ステロイドの内服量が多い時は感染予防の薬を内服することもあります。
  2. 糖尿病、高脂血症、高血圧:過食をしない、塩分制限などの食事療法を行うことが大切です。場合によっては、糖尿病・高脂血症治療薬や降圧薬を内服することがあります。
  3. 消化性潰瘍:胃や十二指腸に潰瘍ができやすくなります。胃酸分泌を抑制する薬や胃粘膜を保護する薬を内服します。
  4. 骨粗鬆症:骨が脆くなりやすいため予防薬(ビスホスホネート薬など)を内服します。
  5. 満月様顔貌:脂肪の代謝障害により起こります。ステロイドの減量で改善します。
  6. 精神症状:不眠症やうつ病になることがあります。重症な場合は抗うつ薬を内服します。
  7. その他:白内障、緑内障、ステロイド筋症、生理不順、痤瘡などがあります。

使用上の注意点

ステロイドを長期的に内服した場合、体内でステロイドホルモンが分泌されなくなることがあります。そのため、急に薬の内服を止めると体内のステロイドホルモンが不足し、倦怠感や血圧低下、吐き気、低血糖などの症状が起こることがあります。これをステロイド離脱症候群といいます。自己判断で内服を中止しないようにして下さい。

産業医科大学医学部第1内科学講座
上野匡庸先生

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