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全身性強皮症(SSc)

全身性強皮症(SSc)とは

強皮症は、皮膚や、肺・消化管・食道・心臓など全身の様々な内臓が徐々に硬くなる変化(線維化)や、手足の先の血行が悪くなる変化(末梢循環障害)を特徴とする病気です。病気の原因は不明ですが、免疫の異常が関わっているとされています。我が国の推定患者数は3万人で、男女比は1:10で圧倒的に女性に多く、30-60歳代の方に発症しやすいとされています。個々の患者さんで経過や病状は異なりますが、肘・膝より体幹側まで皮膚硬化がおよぶタイプ(びまん皮膚硬化型)の方は、発症5年以内に内臓病変が出現しやすいです。

症状・検査

症状は3つに大別されます。①皮膚硬化:皮膚がつまみづらい状態のことです。②レイノー現象:寒いときに手足指先の血管が収縮することで起こる色調変化(白→紫→赤)のことです。③内臓関連の症状:肺に線維化が生じた間質性肺疾患や肺動脈の血管内の圧が上昇する肺動脈性肺高血圧症では、動いたときに息切れや疲労感が生じます。食道の症状は胸焼けや胸のつかえ感、小腸・大腸の症状は、お腹が張った感じ、慢性的な便秘や下痢になります。
 検査は、血液検査や、内臓の評価をするための画像検査、肺機能検査、心臓超音波検査、内視鏡検査などが行われます。血液検査では、免疫異常を反映して自己抗体が多くの患者さんで陽性になります。自己抗体は、種類によって特定の病状と関連するため有用です。

診断

手指を越える皮膚硬化があるか、あるいは手指に限局する皮膚硬化があり、爪の根本の毛細血管の異常、指先の虫喰い状の瘢痕、指先の潰瘍、間質性肺疾患、特定の自己抗体のいずれかが陽性であるかに基づいて強皮症と診断されます。診断されたら、皮膚硬化の分布と病状の進行する速さ、内臓病変の併発の有無、内臓病変の重症度など全身状態を評価します。

治療

現時点ではこの病気の根本的な治療法は確立されていません。そのため、皮膚硬化の進行ピークを抑え、内臓病変の出現や進行を抑えることが治療目標になり、びまん皮膚硬化型の発症早期では免疫抑制薬が使用されます。間質性肺疾患に対しては、進行を抑える抗線維化薬が使用されます。対症療法としては、レイノー現象や皮膚潰瘍に対する血管拡張薬、肺高血圧症に対する選択的肺血管拡張薬、逆流性食道炎に対する制酸薬などが挙げられます。

生活上の注意点

手足は保温しましょう。禁煙も重要です。心臓や肺に負担のかかるような動作も避けましょう。胃酸の分泌を刺激するような食事は控えて下さい。また、治療によっては免疫力が低下するので、うがいや手洗いなど感染予防を心掛けて下さい。

主治医への相談のポイント

強皮症は自覚症状がうまく表現しづらい場合があります。息切れ、疲労感、指先の潰瘍、胸焼け、腹部膨満など、体調の変化が見られる際は早めに医師に相談をしてください。

日本医科大学リウマチ・膠原病内科
白井悠一郎先生

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