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小児全身性エリテマトーデス

小児全身性エリテマトーデス(SLE)とは

SLEは免疫の異常が体内で起きると体内で自己抗体を産生し、自分の臓器を標的として全身に炎症を起こす自己免疫疾患の一つです。16歳未満で発症する小児SLEは腎炎の合併が多いために、早期から強い治療を必要とします。

症状・検査

発熱、蝶形紅斑、関節痛で発症することが多く、SLEが疑われる時には炎症を見る血液検査(白血球数、CRP、赤沈、抗核抗体、抗2本鎖DNA抗体、血清補体)、尿検査を行います。

診断

蝶形紅斑、円板状紅斑、日光過敏、口腔内と鼻腔内の潰瘍、関節炎、漿膜炎、腎炎、神経症状、血液異常、免疫異常、抗核抗体陽性の11の項目に低補体血症を加えた12項目が診断のための分類基準があります。4項目以上が該当するとSLEの可能性が高くなります。
小児SLEでは、治療方針を決めるために、疾患活動性の評価と腎臓の組織分類を行います。
前者は疾患活動性の国際基準であるSLE Disease Activity Indexスコアの使用による症状と検査結果の点数の合計、後者は腎生検により6つの組織病型に分類します。

治療

SLEの治療は上記を総合的に判断し、3つに分類(低リスク群、中等度リスク群、高リスク群)します。それぞれに対して、最初の治療である寛解導入と、それに引き続く良い状態を継続するための寛解維持療法を行います。使用する治療薬は、副腎皮質ステロイド薬、免疫抑制薬、ヒドロキシクロロキン、生物学的製剤のベリムマブが存在します。

生活上の注意点

紫外線を避けるために、外出時に日傘や、帽子の携帯や肌の露出を減らした上で、肌が露出している部分に日焼け止めクリームを塗ります。SLEには甲状腺疾患、抗リン脂質抗体症候群、シェーグレン症候群などの他の自己免疫疾患が合併することがあり、体調の変化に気をつけます。副腎皮質ステロイド薬は肥満や顔が丸くさせることもありますが、医師が処方した薬を正しく服用することが大切です。関節痛や、筋痛、筋力低下、頭痛、うつ症状などのために学校生活に支障がでることがあります。担任や養護教諭の先生と事前に説明し、理解を求めます。本人の体調を自分の言葉で伝えられるように、外来診療の中で指導していきます。

専門医への相談のポイント

治療継続中であっても、SLEは体調のよい日と体調の悪い日があります。専門医は、SLEの症状が悪化した時にどのように対処すればよいかを知っています。体調の悪さ(だるさ、頭痛、関節痛)、薬の副作用の出現や不安(肥満、顔が丸くなること、にきび、身長が伸びないこと)について、担当医に正直に話すことが、日々の診療に必要不可欠です。

日本医科大学小児科
五十嵐徹先生

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