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リウマトイド因子

リウマトイド因子とは

リウマトイド因子(rheumatoid factor: RF)とは、IgGに対する抗体の総称であり、そのほとんどがFc部分に反応するIgM型の抗体です。 RFは関節リウマチの診断に用いられ、RF陽性の関節リウマチでは骨破壊の進行が速いことも知られています。

リウマトイド因子の感度と特異度

RFは比較的感度の高い検査ですが、特異度は決して高くありません。関節リウマチ以外の自己免疫疾患で陽性になるだけでなく、肝疾患や感染症などの様々な疾患で陽性となります。(表)

表.リウマトイド因子が陽性となる病態と陽性率(文献1より引用・改変)

自己免疫疾患 関節リウマチ 70%
シェーグレン症候群 75-95%
全身性エリテマトーデス 15-35%
全身性強皮症 20-35%
血管炎症候群 5-20%
感染症 感染性心内膜炎 40%
梅毒 8-37%
B型肝炎 25%
C型肝炎 76%
HIV 10-20%
結核 15%
他疾患 肝硬変 25%
クリオグロブリン血症 100%
原発性胆汁性胆管炎 45-70%
健常人 5-25%

検査の解釈の注意点

RFは健常人でも5-25%が陽性になると言われており、RF陽性は必ずしも関節リウマチや自己免疫疾患の存在を示すものではありません。特にRF陽性を示す感染症を除外することが重要です。

専門医への相談のポイント

RFが陽性、高値であっても患者が無症状の場合には、必ずしもで専門医へ相談をする必要はありません。

参考文献

(1)Cleveland Clinic Journal of Medicine. 2019 March;86(3):198-210

東京慈恵会医科大学 葛飾医療センター 中央検査部 臨床検査医学講座
越智小枝先生

更新日:2022年5月22日