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変形性関節症

変形性関節症とは

本稿では変形性関節症(osteoarthritis: OA)の中でも代表的な変形性膝関節症について述べます。膝OAは加齢や負荷の蓄積、外傷、遺伝性因子を背景とし、膝関節軟骨の変性・摩耗・骨新生・骨増殖だけでなく、軟骨下骨、靭帯、関節包、滑膜、関節周囲の筋腱組織など関節全体に退行性変性が進行し、慢性的に変形(主に内反変形)が進行する病態です。

症状・検査・診断

症状としては膝関節痛 荷重時痛があげられます。単純立位レントゲン画像により関節裂隙の狭小化や軟骨下骨の硬化、骨棘形成を認めれば膝OAの診断となり、診断としては容易です。また、MRIでは軟骨摩耗や変性、半月板変性・断裂・逸脱、軟骨下骨の変化など詳細がわかり、治療目的となる詳細な軟部組織陰影評価が必要な場合に価値がありますが、経時的な評価では単純レントゲンで充分です。この単純レントゲン画像で、Kellgren-Lawrence(K-L)分類が国際的に汎用されています。K-L分類は0~4まで5つのグレードに分類され、4ほど変形が強いと診断されます。ただし単純レントゲン画像で変形が強い=疼痛が強いというわけではないので注意も必要です。とはいえ、膝関節痛を主訴に受診する患者は多く、例えば炎症性疾患(関節リウマチ等の膠原病、偽痛風など)、感染、代謝性疾患(痛風・偽痛風など)が挙げられ、それぞれ治療法も異なるため鑑別・除外診断が重要となります。

治療・生活上の注意点

膝OAは加齢や膝への負荷の蓄積など、避けられない要因があります。膝OAの要因として真先に挙げられることは体重過多で減量が重要です。また膝に負担のかからない運動療法、食生活の改善、栄養指導も推奨されています。症状軽減のための非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)、軟骨保護の観点からヒアルロン酸関節内注射などの薬による治療も膝OAに対して重要な位置づけとなっています。
ある一定期間(半年程度)の非薬物治療と薬物治療を行い、十分な疼痛緩和と機能改善が得られない患者には手術療法が検討されます。膝OAに対する手術療法は年齢や変形程度などにより手術療法に違いはありますが、主に人工膝関節全置換術(TKA)が施行されています。また手術だけでは機能回復には至らず、術後も十分なリハビリテーションも重要です。

専門医への相談のポイント

今後超高齢化社会で膝OA患者が増加することが予想されます。運動療法、薬物療法、手術療法を含めたマネージメントが重要です。先ほども述べましたが、変形が強い=疼痛が強いというわけではありませんが、膝痛がみられた場合、健康寿命の維持からも一度早めに相談してください。

独立行政法人国立病院機構名古屋医療センター整形外科
生田健先生

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