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骨粗鬆症

骨粗鬆症とは

骨粗鬆症(osteoporosis)とは骨吸収=骨新生の状態から骨吸収>骨新生となり、骨量の減少にともない骨の強度が低下し骨折をきたしやすくなっている病態をいいます。閉経や加齢にともない発症するものを原発性とし、関節リウマチや内分泌系疾患や先天性疾患などが他の疾患が原因で発症するものを続発性と分類します。骨粗鬆症が進行すると、軽微な外傷にて骨折をきたしやすくなり脆弱性骨折といわれています。代表的な骨折は脊椎椎体骨折、大腿骨近位部骨折、橈骨遠位端骨折、上腕骨近位部骨折、骨盤骨折などです。脆弱性骨折の合併は高齢者の運動機能を低下させ、それによる歩行機能やバランス機能を低下させるため、再転倒を誘発し骨折の連鎖をおこします。よって、骨粗鬆症を早期に診断し脆弱性骨折を起こさないよう早期の骨粗鬆症の治療介入が必要です。

症状・検査

骨粗鬆症自体は特徴的な症状はなく、このことが骨粗鬆症の診断を遅くする原因であります。椎体などは骨折をきたして初めて骨折部位の痛みとして症状がでます。
主な検査は

  1. レントゲン検査
  2. 骨密度測定
  3. 血液検査、尿検査です。

①にて脊椎(胸椎、腰椎)、股関節などの脆弱性骨折の有無を確認します。②にて骨密度を数値化し、特にYAM値(young adult mean)という若年成人平均値と比較して評価します。③にて骨粗鬆症の原因となりうる疾患(甲状腺疾患、副腎疾患、関節リウマチなど)の精査や骨代謝マーカーという骨新生や骨吸収の評価を行います。

診断

原発性骨粗鬆症の診断基準(2012年度改訂版)にて以下のように定義されています。

  1. 脆弱性骨折あり
    1. 椎体骨折または大腿骨近位部骨折あり
    2. その他の脆弱性骨折あり、骨密度がYAM 80%未満
  2. 脆弱性骨折なし
    骨密度がYAM 70%以下または-2.5SD以下

治療

骨粗鬆症の薬物治療は多様です。カルシウム薬、選択的エストロゲン受容体モジュレーター、活性型ビタミンD3薬、ビタミンK2薬、副甲状腺ホルモン薬、ビスホスホネート薬、デノスマブなどがあります。患者さんの閉経の有無、既往疾患、骨代謝マーカーなどを総合的に判断し、いずれかの治療を選択する必要があります。

生活上の注意点

骨粗鬆症の予防には食事指導も大切です。骨といえばカルシウムが重要であることは想像し難いことではありません。成人男性では体内のカルシウムの99%は骨に存在し積極的な食事での経口摂取が必要とされています。しかし、その他にもビタミンD、ビタミンK、マグネシウム、ビタミンB6、ビタミンB12、葉酸も必要とされています。また、喫煙やアルコール過剰摂取は脆弱性骨折のリスク因子でもあり、食事指導とあわせて生活習慣に関しても改善が必要です。

専門医への相談のポイント

前述のように骨粗鬆症自体には症状がないため、ご自身が骨粗鬆症と気づいていない患者さんを臨床現場でよくみかけます。まずはかかりつけ医にて一度骨密度につきご相談をするが望ましいです。かかりつけ医がない場合は地域で骨粗鬆症検診をしているところもあります。

独立行政法人国立病院機構名古屋医療センター整形外科・リウマチ科
森尚太郎先生

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