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家族性地中海熱

家族性地中海熱とは

家族性地中海熱(famirial mediterenean fever: FMF)とは、周期性発熱に加えて、漿膜炎、関節炎を特徴とする自己炎症性疾患です。パイリンの機能異常を背景として炎症制御機構の破綻によって発症します。2009年の全国調査で本邦の患者数は約500名と推定されていますが、疾患の認知度の高まりもあり、近年患者数は増加しています。

症状・検査

症状として、周期性の発熱がほぼ必須の症状として現れます。38度以上の発熱が12時間から3日間持続し、その後自然に解熱します。発熱に伴って、漿膜炎による腹痛・下痢、胸痛の症状を生じることがあります。また、関節炎や関節痛を合併することもあります。関節炎は単関節炎で特に股関節・膝関節・足関節に多いです。その他の症状として、筋肉痛や皮疹を認めることもあります。女性の場合、これらの症状が月経周期と関連して生じることもあります。
血液検査所見としては、発熱時に、白血球上昇、CRP上昇、血清アミロイドA蛋白上昇を認めます。発作がない期間(発作間欠期)は、炎症所見は陰性です。

診断

臨床症状と遺伝子検査でMEFV遺伝子の変異の有無を確認することにより診断します。治療薬として使用されるコルヒチン内服を行い、効果の有無を確認することも診断方法の一つとなっています。日本においては、MEFV遺伝子の典型的な変異を有さない家族性地中海熱も多いため、臨床所見が診断のポイントとなるとともに、鑑別診断が重要です。診断が難しい場合、専門医へのコンサルタントも必要です。

治療

コルヒチンの内服が治療の中心であり、症状の改善や、炎症に伴うアミロイドーシスの発症予防に効果的とされています。十分なコルヒチン治療で効果を認めない場合や、副作用によりコルヒチン内服ができない場合は、生物学的製剤であるカナキヌマブを使用する場合もあります。

生活上の注意点

家族性地中海熱の患者さんが発熱発作を引き起こす原因として、感染症や外傷、ストレスなどが考えられています。規則正しい生活を心がけましょう。
発熱発作が出現した場合には、発熱期間や発熱の程度、随伴症状などを自身で記録して頂き、医療機関を受診時に提示していただくと、診療の助けとなります。
家族性地中海熱の治療としては、コルヒチン内服が非常に重要となります。服薬管理および薬剤の副作用の出現の確認はしっかりと行ってください。

主治医への相談のポイント

治療中にもかかわらず、繰り返す発熱や腹痛などの症状がみられた場合には、早めに主治医の先生に相談をしましょう。

久留米大学医学部呼吸器・神経・膠原病内科
井田弘明先生 / 藤本京子先生

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