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JAK阻害薬

JAK阻害薬とは

関節リウマチは、免疫反応の異常により関節内の滑膜に炎症が起き、関節に痛みや腫れが生じる病気です。この異常な炎症は、炎症性サイトカインという物質が細胞を刺激することで生じますが、JAK阻害薬は炎症性サイトカインによる刺激が細胞内に伝達されるときに必要なJAK(Janus kinase(ヤヌスキナーゼ)の略称)という酵素を阻害する、内服のお薬です。関節リウマチに対するJAK阻害薬の効果は、生物学的製剤とほぼ同等かそれ以上といわれています。日本では、2013年3月にゼルヤンツ®(一般名トファシチニブ)が承認され、2020年10月15日現在、オルミエント®(一般名バリシチニブ)、スマイラフ®(一般名ペフィシチニブ)、リンヴォック®(一般名ウパダシチニブ)、ジセレカ®(一般名フィルゴチニブ)と合わせ、計5種類が承認されています。いずれもメトトレキサートなどの他の抗リウマチ薬による治療で効果が不十分な場合に使用されます。

服用方法

それぞれの薬剤の通常の使用量は、ゼルヤンツ(1回5mgを1日2回)、オルミエント(4㎎を1日1回)、スマイラフ(150㎎を1日1回)、リンヴォック(15㎎を1日1回)、ジセレカ(200mgを1日1回)です。腎臓や肝臓の機能が低下している場合など、患者さんの状態によって減量が必要であったり、使用ができない場合もあります。JAK阻害薬は、単剤もしくはメトトレキサートなどの経口抗リウマチ薬との併用で用いられますが、強力な免疫抑制剤や各種生物学的製剤などとの併用はできません。また、妊娠中や妊娠を希望されている場合には使用することはできません。

副作用

JAK阻害薬は免疫の機能を下げる働きがあるので、感染症にかかりやすくなります。頻度が高いのは、帯状疱疹(痛み、かゆみを伴う赤い発疹、水疱が体の左右どちらかに現れる)、上気道感染(鼻炎、咽頭炎、気管支炎)などであり、肺炎、結核、敗血症といった重症なものにも注意が必要です。その他、頻度は稀ですが、間質性肺炎、消化管穿孔、横紋筋融解症といった報告もあります。また、採血検査で、肝機能障害、血球減少、コレステロール値の上昇、クレアチンキナーゼ(CK)値の上昇などがみられることがあります。使用され始めてまだ日も浅いですが、現時点では関節リウマチにおいて、JAK阻害薬の服用により悪性腫瘍が増えるという報告はありません。

主治医への相談のポイント

JAK阻害薬の服用中に、発熱、倦怠感、咳、のどの痛み、悪寒、痛みやかゆみを伴う赤い発疹や水疱、強い腹痛などの症状が出た場合はすぐに医師に相談してください。

国立病院機構相模原病院リウマチ科
津野宏隆先生

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