日本リウマチ学会会員各位
このたび、ACR/EULARによる新たな関節リウマチ分類基準が、Arthritis & Rheumatism (2010, 62:2569-25812010)に発表されました。また方法論の詳細については、Annals of the Rheumatic Diseases (2010, 69:1589-1595)に発表されています。前回2009年10月30日付けで当ホームページに掲載された内容とは一部変更がありますので、その概略をお知らせいたします(下記PDFスライド参照)。また、本分類基準を使用するにあたって、下記の注意事項が付記されています。詳しくは上記の原典を参照してください。
- 他の疾患では説明のできない1カ所以上の滑膜炎があり、4項目からなるスコアリングシステムで6点以上となった場合に、’definite RA’と診断する。
- 当初、提案された「骨びらん」の有無でスコアリングシステムを用いるかどうかを決定するという方法は、今回採用をされていない。
- 鑑別診断は主治医の責任において行う。ただし、疑問のある場合には専門家にコンサルトをする。
- 滑膜炎は、理学的診察で腫脹あるいは圧痛のある場合とする。
- ただし、遠位指節間(DIP)関節、第一指CMC関節、第一趾MTP関節は評価の対象からはずす。
- 大関節とは肩、肘、股、膝、足関節、小関節とはPIP関節、MCP関節、第2〜5MTP関節、第一指IP関節、手関節をそれぞれ指す。
- 血清学的検査で’high’は基準値の3倍以上と定義する。
- 罹病期間は患者の自己申告による。
なお、本分類基準の妥当性については、現在、日本リウマチ学会の新基準検証委員会(竹内勤委員長)において我が国のRA患者コホートを用いて検証中です。
関節リウマチに対するACR/EULARによる新たな関節リウマチ分類基準
平成22年8月31日
一般社団法人日本リウマチ学会
理事長 宮坂 信之