日本リウマチ学会 会員各位
関節リウマチ治療においてMTXが中心的な存在を占めていることはご存じの通りです。特に欧米では、MTXはアンカードラッグと呼ばれ、第一選択薬剤として使用されています。これに対して、我が国はMTXの成人用量は週8mgであることに加えて、肝障害、血液障害、間質性肺炎などの重篤有害事象の発現をおそれる余り、実地診療においてはその使用頻度、使用用量についてもきわめて不十分であったのが実情です。
しかし、我が国においても週8mgを超える用量の有効性と安全性に関するデータが集積されてきたこと、さらにMTXの日本リウマチ学会で行った調査でも「MTXは必要に応じて週16mgまで増量することにより、RA治療の有効性は増し、安全性には有意の変化は認められない」という結論が得られたことなどから、今回、日本リウマチ学会ではMTX診 療ガイドライン策定小委員会を設置し、本ガイドラインを策定することに致しました。本ガイドラインは、あくまで医師の診療上の意志決定を支援するものであ り、リウマチ診療に携わる経験ある医師の判断に代わるものではありません。しかし、本ガイドラインは、現存する国内外のエビデンスを解析した上で策定され たものであり、我が国でのリウマチ診療においてMTXを適正に使用する「よすが」となることを期待してやみません。
▼関節リウマチ治療におけるメトトレキサート(MTX)診療ガイドライン 2011年版
▼ダウンロード
平成22年9月21日
一般社団法人日本リウマチ学会
理事長 宮坂 信之
MTX診療ガイドライン策定小委員会
委員長 鈴木 康夫