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リウマチ Vol.43 No.4             
病理組織学的検討にて腎障害を認めず、MPO-ANCA陽性の肺胞出血を呈した強皮症の一症例 P.690 - 695
 
山田 徹  中島 洋  田中栄一 中島亜矢子 寺井千尋  原まさ子  鎌谷直之
東京女子医科大学附属膠原病リウマチ痛風センタ−・同大学附属青山病院
 
Abstract
 症例は54歳,女性。1997年5月より労作時呼吸困難を自覚,胸部X線上粒状網状影を認め,慢性型間質性肺炎と診断。経過中,両手指の皮膚硬化,皮膚生検にて表皮の萎縮・真皮膠原線維増生を認め,強皮症と診断。1999年3月,血痰・呼吸困難が出現し入院。血中ヘモグロビン値の低下とミエロペルオキシダーゼに対する抗好中球細胞質抗体(以下MPO-ANCA)値812EUと高値を認めた。胸部CT上,両中下肺野中心のスリガラス影,気管支鏡での肺胞洗浄液より多数の赤血球とヘモジデリン貪食様マクロファージを認めたことより肺胞出血と診断。ステロイドパルス療法を施行し血痰・呼吸困難の改善,MPO-ANCAの低下が認められた。腎生検上,病理組織学的に明かな腎病変は認めなかった。
 肺胞出血を伴う強皮症例では,殆どで腎障害を合併し,MPO-ANCAとの関連が指摘されている。MPO-ANCAはDペニシラミン(D-PC)の関与も示唆されている。本例は軽度の尿異常を認めるも生検による病理組織学的検討では腎障害を認めず,D-PCの投与歴もないMPO-ANCA陽性の肺胞出血を認めた強皮症例であり,貴重な一例と考え報告する。
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