リウマチ Vol.42 No.4 index
に戻る
リウマチ Vol.42 No.4
「胸椎後弯変形による対麻痺を生じたSAPHO Syndromeの1症例」
藤井朋子 松平 浩 織田弘美 星地亜都司 中村耕三
東京大学整形外科
(2002.2.26受付,2002.5.29受理)
Abstract
要 旨=
胸肋鎖骨間の異常骨化を合併する疾患は,1987年Chamotらにより提唱されたSAPHO syndrome(synovitis, acne, pustlosis, hyperostosis, and osteomyelitis:SAPHO)という疾患概念に含まれつつある。SAPHOに脊椎炎を伴う症例は散見されるが,神経症状を伴った症例は稀である。今回われわれは,長期経過観察中に胸椎後弯変形が進行し,対麻痺を生じた症例を経験した。
症例は69歳,男性。1991年10月頃より背部の運動痛が出現。1993年1月7日,当科受診。胸椎X線上第8,9胸椎の骨硬化と椎体終板の破壊を伴う後弯変形が存在した。胸肋鎖骨間骨化症があり,これに伴う脊椎炎と診断。インドメタシンの投与により背部痛は軽減した。しかし1年半後より,背部痛が再発し,胸椎後弯変形も進行した。1998年に入り,胸髄症症状が出現したため,7月,入院となった。MRIでは,後弯部での脊髄の圧迫が存在した。針生検を施行したところ,胸椎椎弓からPropionibacterium acnes(P. acnes)が検出された。8月21日に急激な麻痺の進行を認め,同日,胸椎前・後方除圧固定術を行った。術後麻痺は改善し,11月19日独歩にて退院した。SAPHOの疾患概念,P. acnesの関与,脊椎病変についての文献的考察を加えた。
Keywords
〈Keywords〉 kyphosis:paraplegia:Propionibacterium acnes:SAPHO syndrome(synovitis, acne, pustlosis, hyperostosis, and osteomyelitis)
Copyright Japan College of Rheumatology All rights reserved