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リウマチ Vol.40 No.6             
「人工関節の進歩」
 
中 村 孝 志
京都大学大学院医学研究科感覚運動系病態学筋骨格系(整形外科)
〈Keywords〉 
ceramic:crosslinked polyethylene:hydroxyapatite:new cement technique:total joint replacement
 
解  説

T.人工関節の現況

 リウマチの治療の原則は抗リウマチ薬によりリウマチをコントロールして関節破壊を防止することである。しかし,現在の抗リウマチ療法ではすべてのリウマチ患者の関節破壊を防止するのは困難であり,破壊された関節の治療には人工関節が不可欠な治療となっている。実際に,リウマチの治療にとって最も大きな効果を上げているものを米国リウマチ専門医にアンケートをとったデーターがあるが,1位は人工関節で2位がメソトレキセイトであった。人工関節の成績が向上したことが広く使用される大きな要因と考えられる。

 現在の人工関節のスタンダードは超高分子ポリエチレンと金属の組み合わせたものを骨セメントで骨に固定するタイプである。股関節を例に取ると十分なbone stockを有したprimaryでは単一術者の成績で10年の再置換術の頻度は5%であり,20年で15%である↑1)↑(図1)。また,スウェーデンですべての患者を登録したデーターでは10年で10%である↑2)↑。しかし,若年者で長期に安定した関節置換を行うには骨との結合やポリエチレンの磨耗の問題が残っており,セメントを使用しないセメントレス人工関節やセラミック骨頭や摺動面にポリエチレンを用いない試みが進められている。また,再置換では骨欠損を補い,強固なプロステーシスの固定を得る工夫がなされているが,骨欠損が致命的になる前に専門家による正確な術式による再置換の施行が安定な長期成績には不可欠となる。以下に最近の進歩について述べる。

U.人工関節の進歩

1.骨との結合↑3)↑
 1) セメントを用いた骨との固定,セメント充填の改善
 人工関節の実用化は骨セメントによる固定の成功に始まっている↑4)↑。Polymethyl methacrylate(PMMA)骨セメントは骨と直接結合せず,また機械的な強度は皮質骨より低く,セメントが骨の間隙に十分に進入し,骨の粗面にアンカリングして固定を得る↑4)↑。このような条件が得られれば,良好な固定となり,安定した長期成績が得られることが判明している↑5)↑。しかし,このような骨とセメントの接合が得られないと長期には人工関節のゆるみの原因となる。そのための基本は,骨とセメントの間隙の血液などを取り除きセメントと骨が直接に接し,注入時の圧力を十分に加え,セメントが骨の間隙に入り込むようにすることである。またセメント自体の強度を下げないために,混合時に気泡が入り込むのを防ぐことも必要である。このような方法は1. 洗浄の工夫,2. 髄空プラグ,3. 吸引低圧下でセメント混合または遠沈による気泡の除去,4. セメントガンによる逆行性の注入を用いることで改良が行われ,第3世代のセメント手技といわれる↑6)↑。この方法が実行できる股関節の大【腿】骨コンポーネントの固定では臨床成績の改善が得られている。しかし,臼蓋側では改善の度合いが低い。これは注入圧が掛けにくいことと海綿骨部とセメントとの物性が異なり,骨とセメントの界面にゆるみが生じてくるためと考えられている。

 2)セメント非使用の固定
 第3世代のセメントテクニックを用いることでセメント固定は大きな進歩を示した。とりわけ骨セメントが十分な圧を掛けて注入でき,かつ,周囲を強固な構造物の皮質骨で取り囲まれる状態となる大【腿】骨では良好であった。しかし,このような有利な条件が得られない状態でインプラントを固定するにはPMMA骨セメント自体の強度は不十分である。

 セメントに換わる骨と材料の固定には,粗面に骨が入り込んで固定する方法と骨と結合する生体活性のセラミックスで材料表面をコートする方法がある。生体親和性のある材料で100ミクロンを越える大きさのポアーの中には骨組織が進入できることが知られている。このようなポアーを有した材料が骨組織に接して存在すれば骨は材料表面に沿って形成され,ポアーを骨組織で埋め,アンカリングにより材料と骨は強固に固定できる↑7)↑。セメントに換わる方法として1980年代中頃より人工関節の固定にこのような方法が採用されてきた↑8,9)↑。

 初期のセメントレス人工股関節の成績はセメント固定に比べ劣っていたが↑10)↑,初期固定や材料の改善により,優れた成績が報告されている↑11)↑。ポーラス表面での金属イオンの溶出やコートした材料の破損の問題など長期な経過観察を要する課題がある。また,摘出したプロステーシスの観察で骨組織の侵入は予測したほどには広範囲に生じていないことが指摘されており↑12)↑,骨新生を促す工夫が必要である。

 骨と化学結合する生体活性のセラミックとして水酸アパタイトとA-Wガラスセラミックスが現在臨床に用いられている。これらの材料は骨と化学的に結合することができる。このセラミックスで金属をコートすれば骨と金属の固着が可能となる。水酸アパタイトではすでに 10 年の成績が報告され始めている↑13,14)↑。RAの患者での優れた報告も認められる↑15)↑。大【腿】骨に関しては10年で2%以下の再置換率でセメントより優れた成績が報告されている。臼蓋に関しては,改善しているが大【腿】骨コンポーネントほどの成績は示されていない。

 生体活性セラミックコーティングは有望な固着法であるが,セラミックの吸収や破断,【剥】離等の問題があり,注意深い経過観察が必要であろう↑16,17)↑。これらを補うために,粗面をこれらセラミックでコートし骨形成を促進させ,生体活性セラミックによる骨形成の促進と粗面への骨進入を組み合わせたものも開発されている(図2)。また,現在用いられているコーティング法はプラズマ溶射法といわれるアパタイト粒子を高温のプラズマ中で加熱して金属表面に溶射する方法で固定されている。この方法ではアパタイトが熱で変化する。

 一方,生体中で骨が常温で石灰化する原理を応用して,金属表面に処理を加え,生体と同じように常温で溶液からアパタイトを金属表面に析出させるコーティング法も始められている↑18〜20)↑。さらに金属表面の処理を進めると前もってコーティングしなくても生体中で金属表面に骨と同じアパタイトを形成させて骨と結合させする方法も開発され,臨床への応用が始まっている↑21)↑。このようなコーティング法はbiomimetic法と呼ばれる。アパタイトを常温で作ることができ,さまざまな生体活性物質との組み合わせも可能で,有力な骨と材料の固定方法となるものと思われる。

2.ポリエチレンの摩耗
 長期の成績の向上を図る上で人工関節にとって摺動面での摩耗が最も重要な課題となっている↑22)↑。初期にCharnleyがテフロンソケットを用いて摩耗を生じ,すべてのテフロンソケットの再置換を強いられたのが摩耗の重要さを最初に示唆したものである↑4)↑。その後,摩耗に強い材料として超高分子ポリエチレンが摺動面に用いられ,短期の摩耗の問題は解決された。しかし,5年以上経過すると関節周囲の骨吸収を生じる症例が観察され,PMMA骨セメントに起因した反応と解釈されたが,セメントを用いないセメントレス人工関節でもこのような症例が観察され,ソケットに使用されたポリエチレン粉末に起因して,骨吸収が生じることが判明し,ポリエチレンの摩耗粉の解決が必要であることが認識された↑23)↑。現在,摩耗粉を貪食したマクロファージから,IL1やTNF-α等のサイトカインが分泌され,骨吸収に関与する破骨細胞が誘導され骨吸収が進行すると考えられている。

 1)ポリエチレンを使用しない方法
 対策としては,骨頭を金属からセラミックに換えポリエチレンの摩耗粉を減少させる工夫がされている。また,一部ではポリエチレンを避け摺動面に金属対金属,アルミナ対アルミナを用いる関節が作られている(図3)。とくに後者はBoutinに始まるフランスのグループで行われ,ポリエチレンでみられる骨吸収がなく,とくに50歳以下の若年者で優れた成績が報告されている↑24)↑。金属対金属でも低摩耗が得られる↑25)↑。用いられているCo-Cr合金から金属イオンの溶出は避けられず,通常は測定し得ないCoやCrイオンが血中で測定され,さらに,活動動作に比例して濃度の上昇が認められている。このことは金属イオンが溶出していること示し,新しい問題を生じる可能性を秘めており,根本的な解決になるかは,しばらく様子をみる必要がある。

 2) ポリエチレンの改良──クロスリンクドポリエチレン
 一方,ポリエチレンの改良による摩耗粉を減らす方法も最近の進歩のなかで注目されている。超高分子ポリエチレンは鎖状の長分子であるが,分子間に化学結合を生じさせ摩耗特性を高める方法である。このようなポリエチレンをクロスリンクドポリエチレンと称している。

 臨床成績でこのポリエチレンが注目されるきっかけは,国立大阪南病院の大西が100メガラッドで消毒したポリエチレンを使用して10年後に取り出したものの摩耗が著しく低いことを報告したことによる↑26)↑。

 ガンマー線や電子線を当てるとラジカルが生じて,この反応基が周囲のポリエチレン分子と結合を生じてくる↑27〜29)↑。酸素の存在下では酸化反応となり,ポリエチレンの劣化を生じるがアルゴンなどの不活性ガスの中で反応させることで架橋を作らせている。架橋することでポリエチレンは硬化し耐摩耗性は向上するが,機械的な性質も変化する。この機械的な性質の変化が人工関節の成績にどのような影響を生じるか不明な点があり,各メーカーは機械的な性質をできるだけ現在使用しているポリエチレンに近づけて,耐摩耗性をあげる条件を工夫している。架橋は化学的な処理でも可能であり,英国のWroblewskiらは化学架橋したポリエチレンとセラミック骨頭の組み合わせで10年の成績で摩耗が著しく減少することを示している↑30)↑。これまでの実績から超高分子ポリエチレンは摩耗の問題を除くと最も優れた材料であり,架橋したポリエチレンの成績が期待されている。

 3)骨融解に対する薬物による対策
 新しい人工関節ではポリエチレンの摩耗対策が試みられているが,すでに使用されている人工関節でのポリエチレン摩耗で生じる骨融解の対策が必要である。骨融解が進み,ゆるみや骨折が生じるならば観血的な骨移植や再置換が必要となる。しかし,初期の段階で骨融解が薬物などで予防したり進行を止められる方法がないか期待される。最近の研究では骨粗鬆症に用いられるビスフォスフォネート製剤が骨融解の予防に有効であるとの実験データーが出されている。ビスフォスフォネート製剤は第1世代から第3世代の製剤が開発されている。人工関節の固定の面からは,骨形成の抑制が心配されるが↑31,32)↑,第3世代では骨形成抑制が低く,EBMの面からの臨床試験が今後必要ではあるが,治療法として期待されている。

 4)膝関節でのポリエチレンの劣化
 股関節で調べられてきたポリエチレン摩耗粉による骨融解は頻度は低いが膝関節でも生じてくる。しかし,膝関節でのポリエチレンの問題はラミネーションと呼ばれる劣化がある。膝関節は関節面での動きが股関節に比べ複雑で,脛骨のポリエチレンの面を大【腿】コンポーネントが滑る運動が加わり,ポリエチレンと金属の接点が移動する。このために,ポリエチレンに剪断の応力が加わり,表面から1―2ミリの深さで断裂を生じて【剥】離する現象が生じる。この減少は機種により大きく頻度が異なっており,ポリエチレンの質が大きな影響を与えることとガンマー線消毒の際に,酸素分子の存在下で行うとポリエチレンの酸化を生じて劣化が促進することが知られている。また,フラットなポリエチレンを用いると金属との接触面が小さくなり,応力が高くなることも原因と考えられており,金属とポリエチレンの接触面積を高くするデザインの工夫がなされている。また,ポリエチレンと大【腿】骨コンポーネントとの接触面積を高くするために,ポリエチレンと金属の間を拘束させ,フラットな脛骨トレイとポリエチレン間で動けるようにしたモバイルタイプの人工関節のデザインが注目されている(図4)。また,股関節と同様に金属をセラミックスに換える機種も開発されている。これらの改善により,ポリエチレンの劣化は改善されている。膝関節へのクロスリンクドポリエチレンの適用は有効と考えられるが,ポリエチレンの機械的性質が強く影響を受ける膝関節では慎重に研究が進められている。

3.骨置換材料の進歩と骨移植,および手術管理の改善
 1)骨移植と人工骨による補填
 骨欠損した関節に人工関節置換を行う必要にしばしば遭遇する。再置換時はもとより,RA患者ではプライマリであっても著しい骨欠損を伴った症例がある。このような症例には切除骨や,これが不足するときには凍結保存した同種骨や水酸アパタイトなどの人工骨で補填される。自家骨で足りる骨欠損には自家骨で対処するのが基本であるが,骨欠損が大きくなると同種骨や人工骨が必要となる。同種骨はわが国ではbone bankが十分に整備されておらず,各施設で取り出した大【腿】骨頭などを−80度で保存し,手術時に解凍して用いている。

 従来,各施設でまちまちな方法がとられていたが,最近,日本整形外科学会より同種骨移植のガイドラインが出され,また,2000年4月の保健改正で同種骨の保健適用が認められた。しかし,同種移植は感染やlate collapseなどの問題があり,人工関節の骨欠損にどのように使用するかが研究されている。

 最近の移植手技の中で,同種骨を小さくつぶして,母床にハンマーなどで強打し,圧迫して移植する方法が注目されている。Impact morselized bone graftと称され,再置換などで広く用いられ,優れた長期成績が報告されている。また,水酸アパタイトを中心にさまざまな骨置換材料が開発され,骨欠損に自家骨などともに移植されている。これらの材料を強固に骨に固定しておくための補助的なプレートやケージの開発も行われており,骨欠損の大きな再置換術でも,術後早期からの荷重が可能となっている。(図5)

 2)出血対策
 人工関節手術に伴う出血の問題がある。同種輸血の回避のために,1. 術前の貯血,2. 術中セルセーバーによる血液の回収,3. 術後のドレーンからの血液の回収などの試みが広く普及し,股関節再置換などの特別な症例を除いて同種血輸血を回避することが可能となっている。しかし,RA患者ではしばしば貧血を合併し,低体重の症例があり,このような症例では術前に貧血の改善を試みるが,同種血輸血が必要となる症例も存在する。

 3)術後の静脈血栓症と肺塞栓
 これまで,わが国では膝や股関節の人工関節置換後の静脈塞栓や肺塞栓は欧米に比べて頻度が低いといわれていた。しかし,この5年で本邦でのこれらの頻度は決して低くないことが報告され,わが国においても静脈血栓を予防する必要がいわれ,機械的な足底のポンピングの器具や,抗血栓剤の使用が試み始められている↑33)↑。

V.各     論

1.膝関節
 RAの関節の中で膝関節が人工関節置換される率が最も高い。

 最新の機種での成績は10年で生存率が95%の値が得られている。セメント固定およびセメントレス固定の両方が使用されているが,臨床成績には大きな違いはないとの報告が多い。また,人工関節の置換の際に,十字靱帯,とくに後十字靱帯を残すことが成績に影響するかどうかが問題となる。十字靱帯を残すことでより正常に近い歩行になるという報告はあるが,十字靱帯の機能を代償するポステリオールスタビライザー等の機種を用いれば十字靱帯を残す必要はないとの報告もあり,意見が分かれている。また,わが国では術後の可動域の低下が問題となるがこれを改善すための人工関節のデザインの工夫が試みられ,優れた成績が報告されている↑34)↑。(図6)

2.股関節
 RAでの人工関節置換の頻度は膝の1/4程度である。股関節に関しては前に述べているが,RAでは骨の脆弱な症例が多くセメントを使用した人工関節が多く行われている。しかし,RA患者でもしっかりした骨組織を持つ症例ではセメントレスの人工関節の成績が優れるという報告が最近発表されている。また,寛骨臼突出などの症例では骨移植とケルブールプレートなどの使用により,安定した成績が得られるようになってきている。

3.肘関節および肩関節
 肘関節には体重と同じ重さの荷重が掛かり,また,屈曲伸展だけではなく,回旋の力も加わるために,蝶番型では人工関節のゆるみを生じて,満足すべき成績が得られなかった。また,蝶番型が骨切除の大きな機種が多く,再置換が困難であった。これに対して表面置換型で,上腕と尺骨のコンポーネントは連結せずに,回旋運動を許容するデザインが開発されている。

 このような機種としてわが国で工藤等により開発された,工藤式の人工関節が代表的で,優れた成績が報告されている↑35)↑。しかし,RAで肘の人工関節が適応となる症例は不安定性が強く,表面置換型では靱帯機能再建が困難な症例が多く,術後の脱臼や不安定性が生じる症例の頻度が高く,蝶番型と表面置換型の中間型でsemiconstrained型といわれる蝶番を持つが,拘束性を低下させ,蝶番にゆるみを持たせた型が開発されている。わが国では加古川式があり,最近では米国のCoonrad-Morrey型のsemiconstrained型で人工股関節に匹敵する臨床成績が報告されている↑36)↑(図7)。

 肩関節に関しては上腕骨頭の粉砕骨折に対する人工骨頭が開発され,RAでも用いられているが,関節臼蓋側の破壊が強ければ,ポリエチレン製のコンポーネントで弛緩する。通常は骨セメントを用いて固定するが,臼蓋側では保持する骨量が少なく,ゆるみが生じやすい。疼痛の改善は得られるが可動域には限界があり,今後の改善が期待される。

4.その他の関節
 指のMP関節やPIP関節ではこれまで,シリコン製のスペーサーで関節を繋ぐ,スワンソン型の関節形成が行われてきた。現在も用いられているが,4―5年でシリコンの断裂やシリコン断片で生じる炎症の問題が指摘されている。最近では,膝や肘と同じような超高分子ポリエチレンと金属を用いた人工関節が開発されている。これらの長期成績に関しては不明である。足関節の破壊に関しては一般的には関節固定術が多く行われているが,いくつかの人工関節がデザインされ,使用され始めている。足関節には大きな荷重が掛かるが,それを支える骨の量が少なく,ゆるみが生じやすく,安定した長期成績を得るには今後の研究が必要であろう↑37)↑。脊椎では破壊された椎間板を【掻】爬して骨移植する固定術が行われているが,運動性を失うことはその他の関節への負荷を増やし,新しい障害を生じる。その対策として人工の椎間板によって機能を再建しようという研究がいくつかなされている。長期の繰り返し荷重に耐える材料とそれを骨に固定する課題があり,臨床に使うにはもう少し時間がかかるものと思われる。

W.お わ り に

 人工関節は臨床に広く用いられるようになって40年余りが経過している。この間に人工関節には大きな改善と進歩がなされ,安定した成績が得られるようになった。破壊した関節の治療としては,人工関節が最も有効な治療手段となってきた。しかし,優れた成績を得るには用いる人工関節の機能を医師が十分に理解し,正確な手術手技で人工関節を施行することが最も重要な点といえる。また,骨破壊が進み,人工関節を支える骨を失った状況では,手術は困難で長期成績も劣ってくる。このような状況になる前に,患者が人工関節を受けられることが大切である。そのためには,RA患者を診察するすべてのリウマチ医の方々に,人工関節の現況を理解していただき,時期を失することなく,患者が人工関節の恩恵を受けられることを願っている。


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著者紹介
 1974年 京都大医学部卒業
 1986年 同大大学院医学部研究科修了
 1987年 同大医学部整形外科 助手
 1989年 神戸市立中央病院整形外科 医長
 1990年 京都大生体医療工学研究センター 助教授 1995年 同大大学院医学研究科(整形外科) 教授
主要研究テーマ:人工骨,人工関節,骨・軟骨代謝,組織工学の整形外科への応用,リウマチの外科的治療


図 1 セメント固定の人工股関節,骨頭にはアルミナセラミックスが用いられているが,基本的にはスタンダードなCharnley式である。

図 2 セメントレス人工股関節である。プロステーシス(A)と実際に挿入されたレントゲン写真(B)である。(Aは神戸製鋼社製)

図 3 ソケット内面にアルミナが入れられセラミック対セラミックの摺動面を持つ人工股関節である。セメントレスタイプで表面がポーラスでアパタイトコーティングが施してある(京セラ社製)

図 4 モバイルタイプの人工膝関節である。大【腿】コンポーネントとプラスチックインサートは強く拘束されており,プラスチックインサートと脛骨トレーの部分がフラットで摺動できるようになっている。(Depuy社製)

図 5 A:初回手術後レントゲン。B:術後14年で骨融解と人工関節のゆるみを生じている。C:再置換後のレントゲンである。骨欠損を人工骨と同種骨で補い,ケルブールのプレートで固定して臼蓋を再建している。

図 6 人工膝関節で後方にball and socket型の摺動面を持つ,可動域を改善したBisurface Kneeである。(京セラ提供)

図 7 Coonrad-Morrey型のsemiconstrainedタイプの人工肘関節である。蝶番部が内反,外反に7度の遊びがある。(Zimmer社製)

 

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