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利益相反 Q&A

* 学会誌Modern RheumatologyおよびModern Rheumatology Case Reports投稿時の利益相反(COI)申告に関してはそれぞれの投稿規程(MR投稿規程/MRCR投稿規程)をご参照下さい。

Q1.利益相反(Conflict Of Interest, COI)とは何ですか?

A. 学会員(研究者、特に理事等の役員)が企業等との関係で有する利益又は責任と、臨床研究の遂行、及び研究・調査の成果を公表する責任が相反する状況をいいます。わかりやすく図に示します。

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Q2.そもそも日本リウマチ学会において利益相反を問題にする必要があるのでしょうか?

A. 「COIに関する指針」の序文を読んでいただければ理解できると思います。特に本学会は近年のリウマチ性疾患に関する研究の進展や、特に生物学的製剤などの新規薬剤の相次ぐ導入が示すように、企業等とのつながりが深くなっているといえます。このような状況下では、研究者(学会員)や学会の各種役員等は関連企業等との利益相反状態を明らかにしておくことが特に重要であると考えます。そのために自己申告をしていただくのです。
そのことが研究結果の発表、薬剤の評価、あるいはガイドラインの策定などを行なう際に、社会や患者さんに対しての責任であるといえます。


Q3.なぜ学会として利益相反のマネジメントをするのですか?

A. 産学連携をはじめとした社会活動を行う場合、学会員等は企業や営利団体と経済的利害関係を持ち、活動に対する報酬などの利益を得ることになります。これらの活動は、企業や団体の利益の向上を通じて、社会の利益に貢献するものであり、その成果の一部を対価として得ることに何ら問題は生じません。しかし、これらの活動により生み出される公共の利益よりも、関係する学会員等の利益を優先させ、その結果として、当該会員等の活動が本来の責務である研究や調査の実施、さらには学会の中立性や信頼性に悪影響を与えた場合、利益相反による弊害が生じたとして、社会的な指摘を受けかねません。このような利益相反行為によって産学連携が停滞することなく会員等が安心してこれに取り組むことができるよう、本学会では必要に応じて利益相反マネジメントを実施します。学会における利益相反マネジメントを行うことは、自己申告していただいた各種役員を初めとした会員等を保護することと、学会の社会的信頼を維持することを目的としています。


Q4.学会の利益相反マネジメント小委員会はどのような時に開かれるのですか?

A. 大学などとは異なり、定期的に開くことはありません。「COIに関する指針」の「Ⅵ.3.利益相反マネジメント小委員会の役割」にありますように、学会が行なう事業において重大な利益相反が生じた場合、あるいは利益相反の自己申告が不適切で疑義があると指摘された場合に、理事会から諮問を受けて開催されます。当該会員からのヒアリングを行なうこともあります。


Q5.臨床研究を行ったり、その成果を発表する場合、企業からの資金提供が悪いような印象を受けますが

A. そうではありません。国策としても産学連携を奨励しており、企業から正当な報酬を受けることや、臨床研究の推進に向けて資金援助して貰うこと自体は全く問題ありません。それらの事実を大学や学会などの学術団体が透明性を確保して正確に把握しておくことが重要です。産学連携による臨床研究の実施に疑義があると指摘され、研究者が誹謗中傷されるようなことが起こった場合、予め自己申告により正しい情報が既に開示されておれば、学会として社会への説明責任を果たし、適切に対応することが可能になります。


Q6.COI状態の開示を義務づけることは、企業との産学連携活動を阻害することにつながるのではないですか?

A. COI状態の開示は、あくまで自己申告に基づくものであり、産学連携活動を規制したり、個人への正当な報酬を減じるための取り組みをしようとするものではありません。臨床研究を発展させるためには、産学連携を公明性、透明性をもって推進することが重要と考えており、臨床研究が適切に行われ、その成果が適正に公表されることが医学・医療の発展につながると考えています。


Q7.臨床研究だけでなく、基礎研究においても産学連携は行なわれていると思いますが、基礎研究はCOI自己申告からはずしていいのでしょうか?

A. 近年、基礎研究の成果を臨床の医療の場に橋渡しするトランスレーショナルリサーチの重要性が叫ばれ、盛んになってきています。このような状況下では、基礎研究と臨床研究の境目を決めること、また各々の領域を定義することは難しくなってきています。基本的な考え方として、産学連携によって行なわれている研究が基礎的なものであっても、その成果が臨床での診療に影響を与え、資金提供をしている企業や営利団体の利益と関係することが想定される場合には、その企業とのCOI状態を開示しておくべきだと考えます。


Q8.自己申告する際に注意する点はありませんか?

A. 最も大切なことは、正直に申告することです。申告する件数が多いとか、金額が高いとかいって恥ずかしがることは全くありません。それを過小に申告したり、ウソの申告をすると、後に疑義を指摘され、かえってこれが大きな問題を引き起こすことになる可能性が生じるのです。


Q9.自分だけでなく、家族等の利益についても申告しなければならないのは何故ですか?

A. 会員等の配偶者や生計を一にする扶養親族は、会員等と経済的にも密接な関係があると外部から見られる可能性があります。したがって、会員等が産学官連携活動を行っている相手先から、配偶者や生計を一にする扶養親族が経済的利益を享受したものとみなされるケースを想定して、自己申告書上で開示していただくこととなります。


Q10.利益相反に関する自己申告の個人情報は秘密として取り扱われるのでしょうか? また、情報公開法により請求があった場合、プライバシーはどの程度守られますか?

A. 自己申告書の個人情報については、学会事務局で厳重に保管し、秘密情報として万全を期します。自己申告書を目にする機会がある利益相反マネジメント小委員会委員、及び事務局長は個人情報を漏洩しないという誓約書を理事長宛に提出することになっています。 利益相反に関する取り組みが、学会への社会の信頼を維持することを目的としている観点から、個別事例が社会的に問題となった場合には、公表可能な範囲を必要に応じて開示する可能性があります。これは、法律により法人文書の開示請求があった場合は開示しなければならないことになっているからです。利益相反マネジメントでは、情報の開示を学会組織内で行うことにより透明性が確保されますが、学会の組織外へ全ての情報を開示しなければならない訳ではありません。


Q11.利益相反は法令違反とはどのような相違点があるのですか?

A. 「利益相反」は「法令違反」とは異なった概念です。法令上の規制に対する違反行為については、法令で定められた一定の制裁・責任(刑事罰・行政罰・民事上の損害賠償責任等)が課せられ、かつ、公権力(司法や行政)による強制力を伴っています。
それに対して、利益相反は法令上は規制されていない行為を行っているにもかかわらず、周囲の状況によって、社会から「学会における責任が十分に果たせられていないのではないか」と疑われる可能性がある状況です。このような「状況」は、法令上直ちに問題とはなりませんが、公共的性格を有する学会や大学が社会的信頼を得つつ発展するために、誠実かつ適切な対応が要求されるという性質の概念です。


Q12.学会発表について利益相反の自己申告は具体的にどのようにすればいいのでしょうか?

A. 「COIに関する指針の細則」の第1条、第2項に記述してありますが、 2012年の第56回日本リウマチ学会総会・学術集会における発表者の利益相反申告は以下のようにして下さい。

  • 演題応募の際、抄録とともにCOIに関し自己申告すべき項目の「有」あるいは「無」にチェックを入れウェブ登録を行なう。 今回は昨年と異なり、COI自己申告書を事務局へ送る必要はありません。
  • 学術集会発表時のCOIの開示は、COIの有無にかかわらず全ての発表者が行なってください。その際、口頭発表の場合はスライドの最初に、ポスター発表の場合はポスターの最後にCOIを掲示してください。
    見本として、様式2-A(COI無の場合),2-B(COI有の場合)、2-C(ポスターの場合) を示しますので、これに準ずる(スタイルの変更は可)(細則第2項による)スライドを作成してください。
  • 演題投稿時に申告した利益相反は、【利益相反:有(または無)】と第56回学術集会抄録集に掲載されます。

   link スライド見本 (PPT) <様式2-A、2-B、2-C>

Q13.発表者が若手の医師(例えば研修医)やコメディカルの人であっても同様の開示が必要でしょうか? また、内容が症例報告であっても同じでしょうか?

A. その通りです。発表者や内容の如何にかかわらず同様の自己申告による開示をお願いします。ほとんど関係ないと判断すれば、「無」とすればよいのです。

Q14.学会発表における利益相反の開示はいつから行なう必要があるのですか?

A.2011年の第55回学術集会総会からお願いします。その演題募集が本年9月に始まりますが、その演題応募の時から開始します。また、日本リウマチ学会関連の教育講演会、その他の講演会・セミナー等及びアニュアルコースレクチャーで講演される先生に関しても開示をお願いします。
なお、地方会学術集会でのCOI自己申告は、総会の結果を踏まえて平成23年度以降に開始する予定です。